ナギは、心の闇に完全に飲み込まれ、意識を失っていた。彼女の意識の中で、過去のトラウマが洪水のように押し寄せていた。両親がヨガの力で人々を傷つける光景、無力な自分、そして、ヨガへの憎悪。

「ヨガなんて、なくなってしまえばいい……！」

ナギは、心の闇の中で叫ぶ。その声は、憎悪と絶望に満ちていた。

一方、現実世界では、ユウタがナギたちを追い詰めていた。ハルキはすでに意識を失い、ナギもまた、心の闇の中で苦しんでいた。

「終わりだ」

ユウタは、冷たい笑みを浮かべ、ナギにとどめを刺そうとする。その時、ナギの身体から、眩い光が放たれた。

「何だ……？」

ユウタは、光に目を細める。

光の中から、神々しい姿が現れた。それは、太陽礼拝の化身だった。

「私は、太陽礼拝。心の闇を打ち払い、光をもたらす者」

太陽礼拝の化身は、厳かに告げる。

「太陽礼拝……！？」

ユウタは、驚愕する。

「お前の心の闇は、あまりにも深すぎる。だが、ナギの心の奥底には、まだ光が残っている。その光が、私を呼び覚ました」

太陽礼拝の化身は、ユウタを睨みつける。

「無駄だ。お前に、僕を止めることはできない」

ユウタは、心のノイズを操り、太陽礼拝の化身に襲い掛かる。しかし、太陽礼拝の化身は、心のノイズをいとも簡単に浄化していく。

「心の闇に囚われた者よ。光の下にひれ伏せ」

太陽礼拝の化身は、ユウタに向かって光を放つ。ユウタは、苦悶の表情を浮かべ、その場に崩れ落ちた。

「ばかな……。こんなことが……」

ユウタは、心のノイズと共に消滅した。

太陽礼拝の化身は、ナギに近づき、優しく語りかけた。

「ナギよ。心の闇は、誰の心にも存在する。だが、それに打ち勝つことができるのも、また、人間だ。お前は、心の奥底に光を灯した。その光を信じ、心の闇と戦うのだ」

太陽礼拝の化身は、ナギの額に光を灯した。すると、ナギの意識が、徐々に覚醒していく。

「私は……？」

ナギは、ゆっくりと目を開けた。目の前には、太陽礼拝の化身が立っていた。

「あなたは……？」

「私は、太陽礼拝。お前の心の光が、私を呼び覚ました」

ナギは、太陽礼拝の化身の言葉に、全てを理解した。

「ありがとうございます……。私は、もう、心の闇に負けません。私は、皆と共に、心の闇と戦います」

ナギは、力強く宣言した。

太陽礼拝の化身は、ナギに微笑みかけ、光となって消えていった。

ナギは、病院に帰った後、ハルキに駆け寄り、抱きしめた。

「ハルキ……。ごめん……。私は、また、皆を守ることが……」

「ナギ先生……。そんなこと、言わないでください……。私たちは、いつでも、ナギ先生の味方です」

ハルキは、涙を流しながら、ナギに微笑みかけた。

ナギは、ハルキの手を握り、決意を新たにした。

「私たちは、必ず、ボスを倒す……！」