第4.5話、お誕生日

んん……


僕の一日が始まる、部屋はカーテン瞳に閉ざされて、日の光の一切を断ち切ろうとしている

とても落ち着いた目覚めだ、


「ふわぁぁ……起きるかぁ……」


僕はゆっくりと、瞳を開ける


「……希愛、お誕生日、おめでとう」


「ひゃっ!?」


急に耳元で囁かれたため、跳ね上がってしまった

リアネは嬉しそうに微笑んでいる


「可愛いわね♪」


「可愛くねえし!///」


「ふふっ♪」


ん……?

そういえば今日誕生日なのか

自分でも忘れておりましたわ

てへっ☆


「朝食、行きましょうか」


「うん」


今の時間は9:38か、

僕は部屋にある時計に目をやった


食事を終え、僕は部屋で着替えをしている


……今日は少しオシャレにしなきゃ


なんのためかって?

まぁ、もうすぐ分かるさ


僕は服を着替え、歯を磨き、髪のブラッシング、メイクを急いで終わらせて、指定の場所へと向かう


……最近、女装するのにも抵抗無くなってきたような、


慣れって怖いな、と改めて思った


「リアネ、まだかな」


僕は大きく背伸びをした


「ごめんなさい、少し遅れたわ」


「大丈夫、今来たところだから」


「そうですか、じゃあ行きましょうか」


僕とリアネは並んで歩き出す、

そう、今日は僕の誕生日だからって、お出かけをするらしい

リアネ曰く、"誕生日って外に出たいものでしょう?前々からもうお店とか予約してあるから今すぐ出発するわよ!"とのこと、


「ありがとな、リアネ」


「っ……///」


予約していたというお店が見えてきた、

焼肉のいい匂いがしてくる


「堅苦しい高級な店より楽しめていいでしょう?」


「それはそうかも」


「いらっしゃいませ」


「予約していたリアネです」


「あっ、リアネ様ですね、お好きな席へどうぞ」


「予約が難しい人気店って言ってたのにこんなに人少ないのか、?」


店内は僕達以外誰も居ない、僕は少し不安になった


「店ごと貸し切ったからよ」


「あぁ、なるほどー」


「うん」


「……は?」


……金持ちは違うなぁ、と改めて感じた


ま、結局楽しめたしいっか


その後もリアネは観光名所、果物狩りなど、色々な所に連れていってくれた

……ま、全部貸切だったけど


「さ、次は遊園地よ♪」


「遊園地?」


「そう、1度も行ったことがなくて、1度行ってみたいと思ってたの」


「……可愛い」


「ふぇ!?///」


「ほら、早く行こうぜ」


「う、うん……///」


「……んぎゃぁああああああ!」


僕らの遊園地は、リアネの悲鳴によって始まった


「今の楽しかったわね、もう一度行こうかしら」


……リアネは絶叫系が気に入ったらしい

その後もリアネと絶叫系に連続して乗り続けた


「疲れた……」


連続して乗ったからだろうけど、結局リアネが楽しそうならそれでいいんじゃないかと、僕は心の中で思った


「そろそろ帰ろっか?」


「うん……」


僕はリアネをおんぶして、家までの道のりを歩み出すのだった

リアネは"自分で歩ける!"って言ってたけど、もうぐっすりと寝ちゃってるしなぁ、


「おーい、リアネー?着いたぞー?」


「ん……ん?」


「家帰って少し寝たら?」


困惑した表情のリアネを下ろし、僕は先に家に入る


リアネも続いて慌てて入ってくる、時刻は19:46


「絶対にキッチンは覗かないでね!」


と言い残して、リアネはキッチンへと入っていった


リアネって料理できるのかな、

嫌な予感しかしない、リアネは仕事とか戦闘とか、そういった類は得意なものの、家事は壊滅的なのだ、


……次の瞬間、悲鳴とともに爆発音が聞こえる


僕は慌てて駆け出した、

キッチンの中では、リアネが真っ黒になっている


「大丈夫?」


すすまみれのリアネが面白くてつい笑いそうになりながらも僕はリアネに手を差し伸べる


「……誕生日だから料理作ろうと思ったのだけど、」

「昨日は成功したのに……」


僕は笑いが堪えられずに笑い出す、


「なによ!そんなに私の失敗が面白いわけ!?」


「いや、ただ、自分のために失敗しちゃってるのが、面白くてつい……」


「っ……」


リアネは少し顔を赤らめた


「一緒に作ろっか」


「……うん」


リアネは1度教えただけでちゃんとついてきてくれる、

僕も作ってて楽しい、


「ごめんね……?私が作ろうとしたものなのに……」


「いいんだよ」


「ん……ありがと」


自分たちで作った料理は、格別に感じる、2人で協力して作ったという事実がより美味しさを増しているんだと思う、


リアネが、目を輝かせながら口に頬張る、


……やっぱり一番の誕生日プレゼントは、君の喜んでる顔だ





〜今日は中の人の誕生日〜

最近執筆を始めたばかりですが、どうぞ、これからもよろしくお願い致します。

これはなんとなく作ったので、不安定なところもありますから、別の世界線として捉えて頂けると幸いです。

どうか、皆様も今年1年良い日々となりますよう、心より願っております。

By Oyatu

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能力主義の世界の中で僕はおやつを作る OyatsuTime, @oyatu082_

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