第4話、能力
「ガチャ…」
どうやら来たようである
僕は希愛、自室の広さを満喫しているところだ
「部屋の調子はどう?」
「いや、広すぎだろ」
「そう、?」
この世界ではこれくらいが普通なのだろうか
「食事の用意出来ました」
「ありがとう、すぐに行く」
メイドさんがリアネに食事の用意ができたことを知らせに来たらしい
思い返してみると学校で食べた弁当以来何も食べていない、
ギュルル……とお腹がなる音が響き、僕は少し赤面した
リアネは微笑んで言った
「食事、行きましょ」
「うん」
僕らは部屋を出て、食事が用意されているという部屋まで歩きだした
やっぱり、複雑で覚えられる気がしない
そんな僕をリアネはずっと隣で微笑みながら見ている
「今日はここで食事するわよ」
「今日は、?」
「そうよ?」
……意味がわからない、日によって違うってこと?
部屋は暗めの照明が吊り下げられて、とても落ち着いた雰囲気だ、
僕達は大理石のテーブルを挟んで座る
「失礼します」
メイドさんが料理を運んでくる、どれも見慣れない料理ばかりだ、
正直、食べるのに抵抗はある
でも……
「いただきます」
「どうぞ、お口に合うかはわからないけどね」
僕は箸を手に取りぷにぷにとしたものを口まで運んだ
「えっ…美味しい……」
それは口の中でスッと溶け、口の中全体に旨みが広がった
塩味と甘みが程よく残る、
新しい料理のインスピレーションがどんどん湧いてくる感覚がする、
リアネはホッとしたような笑みを浮かべてこちらを見ている
「ナラの角煮よ」
「ナラ……?」
聞き慣れない食事名に僕は困惑する
「ナラは比較的安くて手に入り安いお肉で、色々な家庭料理に使われる食材なのよ」
「どこで手に入るの?」
「どこって、そこら辺の草原に沢山いるわよ」
「えっ……?」
「……?」
「まさか自分で取りに行くの?」
「当たり前じゃない?」
……マジか、
僕の世界では"お金"というものを使って"購入"して材料を得ているが、どうやらこちらの世界では自分で手に入れる必要があるみたいだ、
「な、なるほど……」
ついでに僕は思ったことを聞いてみることにした
「ここって能力主義の世界なんだよな、?」
「そうよ?この世界には1人1つ"能力"というものが存在するの、あなたの世界がどうだったかは知らないけどね?」
「例えば、?」
「主なのは攻撃型、回復形、特殊型に分かれるのだけど、人によって内容は全然異なるの、強かったり、弱かったり、できることも違うわよ」
「僕も能力持てる……?」
「さぁ、そこまでは分からないわ……」
「……今度能力の使い方教えてよ」
「別にいいけど」
ダメ元のつもりで言ったのだが、リアネは快く了承してくれた
「この世界は能力無いと正直生き延びるのも大変かもしれないわ、せめて使えるかどうか確かめる必要があると思うの」
「なるほど」
この世界では弱肉強食、食材だって自分で得なくてはならない、強くないと生活にも支障が出ることだろう、
「……ごちそうさまでした」
「とりあえず今日のところは部屋に戻ってゆっくり休みなさい」
「僕、元気だけど……」
「明日からこの世界で生き延びるために訓練するわよ、もちろん、能力も含めね」
「…わかった、でも1つだけいいか、?」
「なに?」
「部屋への帰り方……」
「ナツ、連れて行ってあげて」
僕は申し訳ないと思いながらも、メイドさんに部屋まで連れて行ってもらうのだった……
……道早く覚えないと、
僕は焦りを感じたのだった、
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