アメリカファーストのあの男が二郎系ラーメンを食べに来たらどうなる?!

小林勤務

二郎系ラーメン

店長「いらっしゃい………………っ!!!」


ド「OH ここは日本のラーメン屋でいいデスか?」


店長「ま、ま、まさかあなたはアメリカの――」


ド「イエース。ワタシはアメリカのドナルド・トランポリンです」


店長「……っ! まじかよ、なんでドナルドさんが二郎系ラーメンに……」


ド「注文いいデスか?」


店長「あ、はい! 麺の量は?」


ド「OH……麺の量ですか……。ここは何グラムまでOKデスか?」


店長「一応、普通で200グラム。大食いの方だと500グラムを注文します」


ド「OK。それならワタシは2000グラムでお願いしマス」


店長「に、にせんですか!? 食べられますか?」


ド「イエース。アメリカは偉大な国デス。麺の量は問題ではありません」


店長「わ、わかりました。それでは、コールをお願いします」


ド「コール? コールとはニコール・キッドマンのことですか? 彼女は偉大な俳優です。OH、間違えました。彼女は偉大なです。今後、アメリカの性は男と女だけデス」


店長「あ、いや、コールとはヤサイ、ニンニクやアブラの量のことです」


ド「OH、ソーリー。ちなみにアブラとは何のことデスか?」


店長「アブラは背アブラのことです。並々を注文される方もいます」


ド「OK。それでは、ヤサイは全米マシマシ」


店長「全マシマシですね」


ド「ノーノーノー、マシマシです」


店長「わかりました。えっと、ニンニクは?」


ド「……ニンニクは強制送還デス」


店長「あ、いらないってことですか?」


ド「イエース。一粒でも許可なき不法ニンニクは即日強制送還しマス」


店長「最後、アブラは?」


ド「アメリカ湾盛りでお願いしマス」


店長「OK! 目一杯ってことでいいですか?」


ド「イエース。きっとアブラまみれでが美しくなるでショウ。メキシコ湾盛りは美しくない」


店長「あいよ――!! ヤサイ全米マシマシ! 不法ニンニク強制送還!! アブラ、アメリカ湾盛り、いっちょ――!!!」


ド「ワーオ! 凄いボリュームだ。特にモヤシがトランプタワーぐらいに聳え立って最高だ。ところで箸は紙ですか?」


店長「いえ、木の箸ですが……」


ド「ノーノーノー。プラスチックの箸に変更して下サイ。何でもかんでも環境環境、愚かな政策だ」


店長「あ、はい。おーい、プラスチックの箸用意しろ――!」


店員「わかりました――!」


ド「それでは、頂きマース。ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル――!」


店長「す、すげえ……あの量がみるみるうちに無くなっていく……」


ド「これは最高デース。とことんまで無駄を削ぎ落したシンプルなラーメンだ。帰国したらイーロンに自慢します。スリム化とはこうやるんだって」


店長「い、イーロンってまさか――」


ド「イエース。イーロン・マスクメロンのことデス。彼が火星に行く前に二郎ラーメンを完食させマース。ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル――」


店長「な、なんてワールドワイドなんだ……」


ド「二郎ラーメンを食べるコツは――」


店長「コツは……(ごくり)」


ド「麺を掘って掘って、掘りまくることデース。ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルー」


店長「す、すげえ」


ド「ごちそうさまデス。グレートなラーメンでシタ。ワタシはこの店を気に入ったので、ここを買い取りマス」


店長「え、いや、この店は売り物じゃ……」


ド「ノーノーノー。合衆国はアラスカもニューメキシコも買ってマス。もうすぐグリーンランドも買いマス。ここもきっと買えるはず」


店長「いやいや、不動産じゃないんですから」


ド「こんな美味しいラーメンは他の国に食べさせるのはずるいデス。我々だけ専用に食べる権利がありマス」


店長「そ、そんなあ」


ド「店ごと買われるのが嫌なら――」


店長「ま、まさか――」


ド「イエース。ディールしかありません」


店長「やっぱりそれかよ――っ!」



to be continue

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