ちゃんと連れて行ってくれる

物語をつくるとき、言葉の選び方や文の組み立て方って、すごく個性がでると思うのですが、こちらの小説は作者さんが描いた世界にきちんと連れて行ってくれる安心感がありました。描写が細かく丁寧です。好みはあるかもしれませんが、私は好きです。

人の最期や病気を扱う物語って、感傷的で綺麗な表現に終始しているものもあるなか、そうじゃないよねってところまで書いてくれていて、ちゃんと読めるなぁって思いました。
とはいえ、ずぶずぶと沈んでいくこともなく、物語らしい軽快さもあります!

ここではないところ、でもすごいファンタジーな異世界じゃなく、リアルの延長にある世界を楽しみたいとき。
この物語が、ちゃんと連れて行ってくれるでしょう。私はそうおもいます。