さよなら異世界
私たちは魔王城に着いて、さっそく作戦を実行した。その名を『不意打ち』作戦。
作戦の内容は簡単で、梅が火炎のスキルを極限まで圧縮させて一気に解放するという作戦である。もちろんデメリットもあって、まずスキルが終わった後に倒れてしまう可能性がある。そのため、回復魔法を常に梅に掛けておく。もう一つは、梅のスキルを発動しても城が壊れなかった場合、そのときは、中に入って魔王を倒すしか無い。そしてスキル発動後ナナの予想だと、
「魔王以外のほとんどの魔族は焼けて消えてしまうだろう」
だからこそ魔王が外にでてきたら氷の弓で動きを止めて、剣で攻撃して、いろいろな属性を合わせたスキルで心臓を貫くという作戦だ。
私は火炎スキルを使った。スキルを蓄積するといつもより疲れるスピードが早かった。回復スキルを使われているのにも関わらず疲労が溜まっているのが分かった。数体の魔物は気配に気付き攻撃してきたが、町の人たちが氷の弓で動きを止めてくれた。
本当に限界寸前で私はスキルを打った。
このスキルは周りの瓦礫なども炎に纏わせて球体にして、爆破させるスキルである。ここから私はこのスキルを『ビックバン』と名付けた。
「ビックバン!!」
私は城に向かって撃つと城は爆発して崩れた。
「やった!」
町の人々はが喜んでいる中、城からすごい気迫のある魔物が出て来た。私は見た瞬間
「魔王だ」
「あなたは他の世界に行くことは出来るの?」
「なぜそんなことを聞く?」
「私は異世界から来たの、それで魔王なら異世界にいけると思ったの」
「何を言ってる?私はそんなスキルを持って居ない。持っているのはそこにいるやつだぞ。」
「えっ」
魔王が指を差した先にいたのは、
「そんな本当なの?ナナ」
「そうだ、すべてオラがやったことだ。魔王を生み出してこの世界を支配しようとした。しかしこの世界にはやっかいなことがあった。それがスキルだ。だからこそ異世界から人を呼び寄せてその世界を支配しようとした。」
ナナはいきなり変身した。
「裏切ったなー!」
町の人々は怒りのあまり作戦を忘れて、ナナに突撃した。
「馬鹿め」
ナナはガイコツを召喚して、町の人たちを殺してしまった。
「梅、オラは今から君の世界にいく。さよなら」
ナナはそう言うとゲートを出した。
「待って!」
「ちょっと待った。」
魔王は私の手を掴んだ。
「私も別に悪いことしようとしてたわけでは無い。
だからこそあいつを許すことは出来ない。確か君は人のスキルをコピー出来るはずだ。これなら倒せるかもしれない。」
「ありがとう」
私はゲートをくぐった。くぐった先には、トイレに繋がっていた。きっと最初に来たときのゲートから来たのだろう。
「ナナはどこだろう?」
バーン!!
外で爆発が聞こえた。
外をみるとナナが暴れていた。
「止めなきゃ!」
私は急いで外にでた。
「ナナもうやめて」
「やめてほしいなら力ずくで止めてみろ!」
私とナナの最後の戦いが始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます