第304話

「編入の方は?」


「TOEFLとACTはクリアしてるし、推薦状も貰えたからパスするだろうって教授もお兄ちゃんも言ってた」


「さっすが。真面目に勉強してきた成果だね」




留学なんて言えば聞こえはいいけど、逃げだと言ってしまえばそれまでで、軽蔑されるのは覚悟の上だった。


だけど香澄は理解を示してくれたし、応援すると頷いてくれた。










まだまだ子供だったあの頃に、唯一の理解者となった友達は今も一番の理解者。


ずっと私の味方だと心強い言葉が優しく心に寄り添ってくれる。





「香港なんて近すぎて余裕。いつ遊びに行こっかなー」


「来るでしょ絶対。何なら再来月あたり普通に来てそうだし」





目に浮かぶのは、毎日買い物と食べ歩きに連れまわされる自分の姿。

それも悪くない。




「飛行機のチケット取っておこうかな」


「さすがに気が早いんじゃないの」





香澄と話していると全てが大したことないように思えちゃう。

つくづく自分は恵まれた環境にいたのだと感謝した。

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