第245話
渡瀬さんが俺の背中に手を当てる。
両手を広げても抱えきれないほどある後悔を分かち合ってくれるような優しい手だった。
自責の念を取り払うのは簡単じゃない。
自分が気づいてたら渚はこんな風になってないんじゃねーかとか。
"もしも" ばかりが脳裏に浮かぶ。
そしてそれは俺だけじゃなかった。
「俺、結局何もしてやれなかったんだ。嫌な予感はしてたのに、正解じゃないって思ってたのに、」
俺の家に向かう車の中で一世が言った。
言葉を選びながら曇った声で後悔を口にした。
ズンと心の奥深いとこが刺激され何とも言えない感情に呑み込まれた。
「言いたいことは分かるけどお前が引きずる必要ないって。渚は他人に何を言われたところで自分の考えを貫く女だよ。
どう転んでも結果は同じだったんだと思う。全て自分で責任取らなきゃいけないって覚悟してたんだと思う」
だから俺らには見せない姿があったんだろう。
少し冷静にこの状況を見れた。
それが良い事なのかと問われれば分からないけど、渚が望んでいたってことは分かるから。
「最悪だけど。許せないけど。それでも好きになった女だし、俺はありのままを受け入れるしか出来ないから。
だから戻ってきたら抱きしめて、温かく迎えてやりたいって思うんだ」
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