第242話

犯した罪は償わなきゃいけない。

誰だって公平に裁かれるべき。


あいつだってそれなりの覚悟は出来てたはず。


だから最後にあんな穏やかに微笑んで見せたんだ。




なのにこいつらは、この世界は、渚の覚悟さえ簡単に摘み取ってしまう。

理不尽にもほどがある。





「何も無かったように社会に出て行くって何だよ?ふざけんなっ。

 お前らみたいな大人が己の身を守る為にそうやって仕向けてるんだろ。

 あいつがそんなこと望んだのかよ?そうして下さいって縋ったのかよ?」 






渚を知らない奴に言わせればただの屁理屈だ。


それでも、理解されないとしても言いたいことがある。


大声で叫んで、耳に刻んでやりたい想いがある。





不満を抱えながらも縦社会から反れることも出来ず、ここで愚痴を零してるような奴らに渚を語らせて堪るか。


抜け道だらけの世の中にしたのは誰だよ。

そんな奴らにあいつを非難されるなんて我慢ならない。




「おめーら大人がこんな汚い世界作ったんだろ!ケツ拭きだけ子供にさせんのかよ!!」





チッと舌を鳴らす音。


仏頂面の男達から向けられる冷ややかな視線。


まるで腐った人間を見るような眼だった。


やがてその視線は、跡形も無く街の中へ消えて行った。







大人になれと、それだけを言い残して。

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