第26話
縮まったはずの心の距離がまた離れたような気がして、そのままベットに潜り込み、不安を消すように渚を求めた。
俺が愛の言葉を囁くたび、渚は目を細めて微笑み。
小さく頷きを返す。
俺の肌に触れる手が唯一渚の愛を伝えてくれてる気がして。
そんな些細な行為さえ愛しいと思えた。
心のどこかで渚の問題は時間が解決すると思ってた。
愛も永遠も信じられないと言った渚が自分と過ごすことで少しずつ変わればいい。
過去の絶望感を少しでも癒してやりたいと。
急ぐ必要は無い。ゆっくりでいいんだと。
焦りが裏目に出ないように自分へ言い聞かせてた。
たかだか20年ちょっと生きただけの俺達。
未来への時間は腐るほどあると思ってたから。
前日の徹夜のせいでそのまま俺は眠りに落ちていて。
半分閉じた意識の中で声が聞こえた気がした。
「約束、忘れないで―――…」
忘れないで?
約束?
思考の奥深くを辿ってみたけど、思考は途中で完全にシャットアウト。
渚が囁いたであろうその言葉は目を覚ました頃には夢か現実かの区別もつかなくて。
忘れてしまうほど曖昧なものに変わっていた。
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