第7話

手元に戻ってきた本を再び開き、黄緑色の付箋で目印をつけた。

気を取り直して文章に目線を戻すと。



「しかしお前って学校ごとには真面目なんだな」



クラブで飲んでるイメージが定着しすぎて、前は気付かなかったと言う。


意外性を見出してるのはお互い様ってことか。



「後期の授業始まってから毎日学校行って、課題やって。牛乳瓶の底みたいな眼鏡かけてそうなくらい真面目だよな」



どんなイメージだよ。


てか絶対褒めてないよね。

むしろ軽くディスられてる気がするんだけど。



「一般的にはそれが普通で当たり前のことだと思うけど」


「疲れねえの?俺高校でさえ真面目に通った記憶ない」


「譲の乱れまくった高校生活と一緒にしないでくれるかな」



適当にあしらうつもりで言ったが最後。

譲は気に食わなかったらしく、私をテーブルから引き離しソファに引きずり上げた。



「俺はお前のが乱れまくってると思うけどね」


「似た者同士じゃん」


「今が乱れてなきゃ問題ねえ」



私達に限ってはお互いの過去を探るのは賢いとは言えない。


言葉にせずとも暗黙の了解だ。



「乱れてないの?」


「他の女とはな」



首元を這う舌が妙に優しくて手にあった本が手から転がり落ちる。

それを見た譲は厭らしく笑って指を絡め取り、唇を塞いだ。



ほんのり香るビールの苦みに酔いそう。


赤くなった唇を弄ぶように何度も甘噛みを繰り返し、奥深くまで差し込まれた舌の生ぬるい感触に体の芯が熱くなった。

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