第8話

この幸せがずっと続きますように、

なんてしおらしい事を願っていたわけじゃない。



愛しい時間もいつかは終わる。

私には終わらせる責任があった。


解っていたけど惜しくて手放せなくて。



そんな私を許すまいと、並行するもう一つの現実は容赦なく私を追い詰めた。


安易に手を出した闇の世界は私を簡単には解放してくれず、例え街から遠ざかっても逃げ出すことは出来なかった。



それでも抜け出そうと、溺れてたまるかと、必死にもがいてる自分が居た。



持て余すほどのお金も、居場所としていた夜の街も。

譲が傍にいてくれる今私には必要ない。



溺れない場所へ行くことが出来ないなら、一瞬一瞬を生きるまで。

荒れた海を避け、波のない穏やかな海を求めて無心に泳ぎ続けるしかなかった。

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