アルミの不足(ボーキサイトの不足)

[5日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン(JPM.N), opens new tabは5日、世界のアルミニウム市場が今年、60万トン超の供給不足となり、深刻な需給逼迫状態に陥るとの見通しを発表した。中国からの供給減と米国の関税導入が要因。


一方で、米国による25%の輸入関税賦課によって米国内のアルミ価格が上昇し、休止中の生産設備が再開される可能性が高まると指摘。欧州に関しては、生産再開は利ざやに左右されるとの見方を示した。


JPモルガンによると、現在米国で休止中のアルミ生産は年間63万トンで、欧州では100万トン。今後数年間で100万トンの生産再開が見込まれ、このうち米国は年間約36万トン、欧州は65万トン。 JPモルガンは「アルミ相場が今年10─12月期に2850ドルに上昇するまで、供給不足が続くと考えている」と説明した。


アルミの原料 = ボーキサイト。

供給不足が発生したら、まずは上流(採掘現場)から資源価格が上がる。


AI検索

アフリカ大陸は世界最大のボーキサイト埋蔵量を有しており、

【ギニア】は世界有数のボーキサイト生産国です。


【ボーキサイトの埋蔵量】

アフリカ大陸の確認されたボーキサイト埋蔵量は8.3億トンと世界最大

ギニアのボーキサイト埋蔵量は世界第1の400億トンと推定されている


【ボーキサイトの生産量】

ギニアは2020年にボーキサイトを8,776万トン生産し、世界第2位の生産量を記録した。ボーキサイトの主な生産国には、豪州、中国、ギニア、ブラジルなどがある


【ボーキサイトの採掘】

ボーキサイトは、石灰岩、閃長岩、片麻岩、頁岩などから生成される

ボーキサイトは、主にオーストラリア、マレーシア、ギニア、ブラジル、ジャマイカなどの熱帯・亜熱帯地区で大規模な露天掘りにより採掘されている


【ボーキサイトの利用】

ボーキサイトはアルミニウムの重要な原料として利用されている

中国は、主にギニア、豪州、ブラジルからボーキサイトを輸入している


(*´Д`)


日本株ではアルミを多く扱ってるのが神戸製鋼所(コベルコ)。

日鉄やJFEにも連鎖するかもしれない。

アフリカの沿岸地域(旧西洋植民地)に権益を持つ総合商社も強いだろう。


筆者の「低減」

blackさんの「インカム」


にて、主要資源国であるブラジル、マレーシア、中国のETFはそれぞれ少額だが、すでに購入済み。筆者は「低減」にて、配当金とお給料(昨年から日雇いの冷蔵倉庫で稼いだ)を入金して資源国のETFをガシガシ買い集めてる。


西洋では中国は終わった国だとしつこく報道されるが、実は中国は相当な資源大国である。原油もガスも貴金属も豊富だが、人口が多すぎて彼らの消費を賄うために資源の輸入国となっているのだ。レアアースなどの戦略資源を多数持つだけでなく、

バッテリー(蓄電池)の生産でも世界一なのだ。世界の再エネの加速からバッテリーの価格も次の10年で上がるよ。


「グローバルX チャイナEV&バッテリー ETF」

俺はこのETFを少額(10万くらい)で買ったが、含み益が30%を超えてる。




[パリ 5日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は5日、ロシアは欧州全体にとって脅威であるとし、フランスの核の傘を欧州の同盟諸国に拡大することについて議論する用意があると述べた。国民向けの演説で明らかにした。

欧州の核保有国はフランスとイギリスのみ。


マクロン大統領は「われわれの核抑止力はわれわれを守っている。それは完全で、主権を持ち、徹底的にフランスのものだ」と強調。「しかし、将来のドイツ首相の歴史的な呼びかけに応えて、われわれの(核)抑止力を通じて欧州大陸の同盟国を守るための戦略的議論を始めることを決定した」と語った。


次期ドイツ首相への就任が見込まれる中道右派キリスト教民主同盟(CDU)のメルツ党首は、北大西洋条約機構(NATO)が6月まで「現在の形態」を維持するかどうか疑問視し、核防衛拡大についてフランスと英国との協議を求めた。


マクロン大統領はロシアとトランプ米政権による国際秩序の転覆に対する国民の懸念を認め、フランスは防衛費を増やす必要があり、ウクライナへの支援を続けると明言。ロシアの脅威を前に「傍観して何もしないのは正気の沙汰ではない」とした。

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また、米国が「われわれの側に留まる」と信じたいとしながらも、それが事実でなくなった場合に備えて欧州は備えていなければならないとも述べた。


さらにフランスは核抑止力のおかげで欧州で独自の立場にあると強調し、その防衛力を欧州同盟国に拡大することについて議論する用意があると述べた。核兵器に関する最終決定はフランス大統領の手に委ねられるとした。

防衛支出の増額幅は明らかにしなかった。増額のための増税は行わないが、厳しい選択を迫られるとの見通しを示した。


(*´Д`)

マクロン大統領は仏英以外の国も核武装の必要があると考えてそうだ。

ロシア軍(ベラルーシ、北朝鮮、実質的にアメリカ含む)相手に

欧州連合軍だけでは対応しきれないと判断してるんだろう。


バイデン政権の時までアメリカは見かただったはずなのに、いつのまにか

ロシアの味方になっていて驚く。ドナルド・トランプ大統領は旧ソ連(KGB)の

スパイじゃないのか。副大統領のバンス君、テスラのマスク君もロシア当局から買収されてる可能性がある。


↓参考までに。太平洋戦争開戦のきっかけ(ハルノート)を作った男。


ハリー・デクスター・ホワイト(Harry Dexter White、1892年10月9日 – 1948年8月16日)は、アメリカ合衆国の官僚、ソ連のスパイ。フランクリン・ルーズベルト政権の財務長官であるヘンリー・モーゲンソーの下で財務次官補を務めた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%88



原子力 = ウラニウムを原料とする。

カナダとカザフスタンの超大手企業をメインとする

「ウラニウムETF」の株価は5倍が可能だと俺は考えている。


25年以降の相場は世界の分断(保護貿易)と戦争(関税含む)の時代になりつつある。ウ戦争が停戦となった後がやばい。ウ露国境に英仏軍が進駐したらロシア側が慌てて軍拡に走るだろう。欧州全域で軍拡合戦になる。



イツ連邦債が5日の取引で大きく売り込まれ、過去35年で最大の下落となった。


  次期首相就任が確実視されるメルツ氏が、防衛力強化のため、大胆な財政改革案を提示したことに反応した。財政規律を重視する「財政タカ派」として知られるドイツにとって劇的な変化となる。これを受けて、欧州各国で財政支出が増え、経済成長が促されるとの期待が強まった。


  ドイツの10年物国債利回りは30ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、2.80%と2023年11月以来の水準となった。1日の変動幅としては、ベルリンの壁崩壊後にドイツ再統一への準備が進められていた、1990年3月以来の大幅上昇だった。


  メルツ氏は4日夜、大規模な財政改革の一環として5000億ユーロ(約80兆円)の特別基金を設立すると発表。また、防衛費として国内総生産(GDP)の1%以上を支出する場合には、憲法上の借り入れ制限(債務ブレーキ)の対象外とすることも提案した。メルツ氏は、国を守るために「あらゆる手段を講じる」と強調した。


  財政支出拡大への期待から、短期金融市場では年内の欧州中央銀行(ECB)利下げ見通しが大幅に後退した。ドイツ債のほか、イタリア債も売りを浴び、英国債も下落した。イタリアの10年債利回りは29bp上昇し、3.92%と8カ月ぶりの高水準になった。


関連記事:【欧州市況】防衛支出期待でドイツ債が過去35年最大の下落-株も高い


  また欧州経済が押し上げられるとの期待から、ユーロも買われ、3日間の上げとしては2015年以来の大きさを記録する勢いだ。欧州株式も上昇した。


EU財政ルール緩和

  5日には、ドイツの駐EU代表が加盟国に予算上の追加余地を認めるようEUに促し、ブリュッセル関係者の間で驚きが広がった。地政学的な情勢を踏まえ、長期的に防衛関連支出を増やすためだと訴えたという。事情に詳しい関係者が明らかにした。  


Bundeswehr soldiers during a military exercises in 2024.

軍事演習に参加するドイツ連邦軍兵士(2014年)Photographer: Sean Gallup/Getty Images

  EU首脳は6日に会合を開く予定で、財政ルールの変更の可能性を巡り議論する予定。ブリュッセルのドイツ政府報道官はコメントを控えた。


関連記事:財政タカ派のドイツが急転換、EUに財政ルール緩和訴え-防衛費増で


  EUはロシアによる侵略の脅威に対抗するとともに、トランプ米政権が欧州安全保障への関与を大きく後退させていることを補うため、数兆ユーロ規模の防衛費上積みを急いでいる。


パラダイムシフト

  ヌビーンのグローバル投資ストラテジスト、ローラ・クーパー氏は 「ドイツの現状は、欧州の投資戦略の再考を促すものだ。市場は財政面で今後見られるであろう事態の規模を過小評価している可能性がある」と指摘した。


  バンク・オブ・アメリカ(BofA)の欧州担当エコノミスト、エブリン・ハーマン氏はドイツの発表について「大規模かつ大胆、想定外の内容で、見通しを一変させる」と指摘。これは「地殻変動」だと述べた。



ドイツ経済は自国の防衛費増額計画によって景気が上向き、それが近隣国にも波及するほか、ユーロ圏の他の国も国防費増加に動くと、ゴールドマン・サックス・グループは予想している。


  同行は、成長率が押し上げられる見通しを踏まえ、欧州中央銀行(ECB)7月会合での利下げをもはや想定していない。ただ成長鈍化やディスインフレの進行、貿易による下振れリスクを考慮し、4月と6月の両会合でそれぞれ0.25ポイントの利下げをなお見込む。


  スベン・ヤリ・ステーン氏らゴールドマンのエコノミストは、ドイツ国内総生産(GDP)成長率予測を2025年は0.2ポイント引き上げて0.2%、26年は0.5ポイント上方修正して1.5%とした。また近隣国への波及効果を考慮に入れ、ユーロ圏の成長率見通しは25年に0.1ポイント、26年は0.2ポイント引き上げてそれぞれ0.8%、1.3%とした。


  ドイツは厳格な政府借り入れ制限を緩和する劇的な政策転換で、防衛およびインフラ投資に数千億ユーロを拠出する。


関連記事:ドイツが借り入れ制限緩和へ、財政の鎖を緩め欧州の防衛を変革 (2)


  同行エコノミストは、「ドイツの公共支出拡大が加速すれば、成長はさらに高まるかもしれないが、欧州連合(EU)の対米輸出品全般に関税がかけられる可能性があるため、短期的には成長の下振れリスクがあると引き続き考えている」とリポートで論じた。



【コラム】米国離脱後の世界、欧州は準備し始めた-NATO元司令官

Adm James G Stavridis "Jim"

2025年3月6日 4:07 JST

北大西洋条約機構(NATO)の元欧州連合軍最高司令官である筆者が、このようなコラムを書くことになるとは、夢にも思わなかった。しかし悲しいかな、トランプ政権発足後まもなく、米国や欧州が発したNATOに対する懐疑的な見方や、分断をますます深めるような言葉を考えると、この由緒ある同盟を米国が撤退した場合の、世界の地政学的なあり方を考える時が来たようだ。


  私たちは本当に、NATO終焉(しゅうえん)の時を迎えているのだろうか。 もしそうだとすれば、それに代わるものはあるのだろうか。あるいは、NATOが存続したとして、米国抜きでどのような同盟になるのだろうか?


  米国がNATOを離脱するとしたら、それはとんでもない間違いだ。だが共和党には、それを真剣に主張する、または少なくともその可能性について検討する有力政治家らがいる。マリン上院議員は最近、「NATOが米国の最善の利益にかなわなくなっているのであれば、私たちは物事を再検討すべきだ」と述べた。昨年6月には、46人の共和党下院議員がNATOの予算を削減する修正案に賛成票を投じた。


  バンス副大統領は2月、ミュンヘン安全保障会議での痛烈なスピーチで、NATO軽視の姿勢をあらわにした。そしてもちろん、バンス氏をきっかけに2月28日にホワイトハウスで起きたトランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領のあり得ない公開口論を見ると、米国の今後のNATO協力にはあまり期待できそうにない。


  欧州では、米国のコミットメントに対する疑念が高まっている。フランスのマクロン大統領は長年、欧州独自の防衛軍、すなわち「戦略的自立」の必要性を訴えてきた。マクロン氏と英国のスターマー首相はそれぞれ、ウクライナの戦争を終わらせるための別のイニシアチブについて話し合うため、欧州の指導者たちによる緊急会議を開催した。


  ドイツの次期首相候補メルツ氏も国内メディアとのインタビューで、「トランプ氏がNATOの集団的防衛義務を無条件では守らない可能性に備えなければならない。欧州が最大限の努力をし、少なくとも欧州大陸を自分たちだけで守れるようにすることが極めて重要だ」と率直に語った。


NATO's Biggest European Spenders

Germany overtakes UK with largest European defense budget



Source: IISS 2025 Military Balance report


Note: 2024 defense spending


  ゼレンスキー氏が「欧州軍」を求めるのも当然だ。これは「もはや米国を当てにはできない」という暗示であり、先週トランプ氏から痛烈な非難を受ける前から推し進めてきたことだ。


  だが、こうしたレトリックにもかかわらず、米国にNATOが提供できる価値は今なお高い。ロシアの侵略の脅威とトランプ氏の圧力に後押しされ、欧州の国防費は、ようやくNATOが目標としていた国内総生産(GDP)の2%に達しようとしている。NATOは今、米国の支出水準である3.5%以上への引き上げも真剣に検討している。


  欧州の防衛予算は、全体では中国やロシアを上回る世界第2位の規模だ。仏エアバス、英ロールスロイス、独ラインメタルやスウェーデンのサーブといった欧州の大手防衛企業は、膨大な量の高性能機器を製造している。これらの企業は生産量を増やし、米国の防衛企業とその労働者を押しのけて巨大な契約を獲得しようとしている。


  欧州に対する私たちの不満とは裏腹に、米国は最終的には、太平洋地域で高まる一方の中国の脅威に対抗するため、欧州の支援を必要とするだろう。サイバーセキュリティー、インテリジェンス、宇宙活動における欧州の貢献は重要だ。NATOに加盟する6カ国がロシアに相対する北極圏での活動においても、欧州の協力は不可欠になる。


  だが、米国が一部の右派の意見に従って正式に同盟を脱退し、10万人近い兵力を欧州から撤退させたり、または資金拠出を停止したりすれば、NATOは崩壊するだろう。


European "Independence"?

US personnel by country shows legacy of post-WW2 security



Source: EUISS


Note: Greenland not shown


  その場合、何が取って代わることになるのか。おそらくは、現在のNATOを基盤としつつ、米国を除いた「欧州条約機構」(ETO)が誕生するだろう。カナダはETOへの参加を選ぶかもしれない。トルドー首相は2日、欧州緊急首脳会議に出席するためにロンドンへ駆けつけた。同国は、北極圏における安全保障パートナーとして、欧州を必要としている。


  あるいは欧州連合(EU)の支援の下、非加盟国である英国も含めた新たな安全保障体制の構築もあり得る。EUはすでに、よく整備された指揮系統、10年前には筆者の同僚だった最高司令官(EU軍事委員会議長)を有している。また、バルカン半島での平和維持活動など、米国やNATOとは独立した活動の経験も豊富だ。


  これは、未知の領域である。これまでNATOから完全に撤退した国はない。しかし、もし米国が離脱すると決定した場合、筆者は欧州が3つの行動を取ると予測する。


  まず、彼らは防衛費の増額を継続し、特に核戦力の増強を図るだろう。英国とフランスはすでに核保有国だ。彼らは攻撃と防衛の両面で宇宙軍を強化し、インテリジェンス、サイバー攻撃、宇宙活動への支出を増やして米国の活動と競合するようになるだろう。ロシアの脅威を考慮すると、より広範な徴兵制を検討することもあり得る。スウェーデンやフィンランドを含む欧州の複数の国では、現在すでに、何らかの兵役が義務付けられている。


  第二に、欧州の外交・防衛政策は、米国と急速に乖離(かいり)していくことになるだろう。米国と足並みをそろえて中国に対峙(たいじ)するよりも、欧州はロシアと米国が連携を深める場合への備えとして、中国との経済協力、さらには軍事協力さえ模索する可能性がある。おそらくは、中国の「一帯一路」構想に参加する欧州の国が増えることになるだろう。米国と共にイランの核開発を理由に同国に圧力をかけることにも消極的になり、欧州はイランでの経済的利益を追求するようになるかもしれない。


  最後に、欧州はウクライナを強く支援するだろう。農業国で鉱物資源の豊富なウクライナがプーチン大統領に降伏するようなことがあれば、欧州にとっての悲劇になるからだ。


  NATOが設立された理由については、昔からこんな言い方がある。「ドイツを鎮圧し、米国を中にとどめ、ロシアを締め出すため」だ。もし米国が世界で独自の道を行くことを決断すれば、それが1920年代、30年代に悲惨な結果をもたらしたように、この均衡は崩れ去る。


  そして、新しい表現はこうなるかもしれない。「米国が去り、ロシアが入り込もうとしている中、欧州は抑え込まれないだろう」と。


(NATO元欧州連合軍最高司令官で、タフツ大学フレッチャー法律外交大学院の名誉学部長のジェームズ・スタブリディス氏は、ブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)



アングル:「米国例外主義」終焉か、投資マネーが欧州・中国へ

Dhara Ranasinghe, Amanda Cooper

2025年3月6日午後 3:43 GMT+98分前更新



アングル:「米国例外主義」終焉か、投資マネーが欧州・中国へ


国際的な投資マネーの流れは、歴史に残るような貿易戦争が始まる兆しや欧州の大規模財政出動、最先端技術開発競争における中国の台頭などを受け、急変しつつある。2020年2月、ニューヨーク証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Lucas Jackson)


[ロンドン 5日 ロイター] - 国際的な投資マネーの流れは、歴史に残るような貿易戦争が始まる兆しや欧州の大規模財政出動、最先端技術開発競争における中国の台頭などを受け、急変しつつある。投資家にとっては、米国から本格的に資金が逃げ出す一大転換点が出現した可能性が示されている。


中国は5日、追加の経済対策を打ち出すとともに、トランプ米政権が仕掛ける貿易戦争の悪影響を和らげる取り組みを強化すると約束。その直前にはドイツで次期政権樹立に向け連立交渉中の各政党が、東西ドイツ統一以降最も大きな財政政策の見直しに合意した。


一方、米国のデータは経済の勢いが弱まっている様子を示唆し、トランプ政権が今週発動した関税が国内外に不安を与えている。

過去3年間はおおむね、投資家の間で「米国例外主義」が共有されていた。つまり米国は成長率や株価、人工知能(AI)開発などで他国より常に抜きん出ているのだと。


ただステート・ストリート・グローバル・マーケッツのマクロ戦略を統括するティム・グラフ氏は「世界は今、米国モデルが変わっていると認識している。われわれはその環境に順応しなければならず、米国はもはや貿易相手として信頼できないし、防衛力も自前で何とかする必要があると話題にしている」と述べた。

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このような心理的変化が、世界の株式市場で滅多に見られない値動きのかい離をもたらした。


S&P総合500種(.SPX), opens new tabは年初来で1.8%下げた半面、欧州株(.STOXX), opens new tabは約9%上昇して最高値を更新、香港のハイテク株(.HSTECH), opens new tabは30%前後も跳ね上がった。

ユーロ/ドルは一時1.07ドル超と4カ月ぶりの高値を付け、多くの銀行は先を争うようにユーロ/ドルが等価(パリティ)に下落するとの予想を撤回してしまった。


米商品先物取引委員会(CFTC)の週間データに基づくと、トランプ大統領が1月に就任して以来、投機筋のドル買い持ち規模は半減して160億ドル程度に縮小している。


TSロンバードのグローバル・マクロ・マネジングディレクター、ダリオ・パーキンス氏は「昨年12月時点では米国例外主義が圧倒的なコンセンサスで、米国こそが唯一の投資先だった」と振り返る。

その上で「足元で起きているのは関税の脅威とトランプ氏の圧力で他国がより多くの支出を迫られている事態だ」と指摘した。


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トランプ氏は1945年以来米国に定着していた外交政策をご破算にして、最大の貿易相手に関税を発動して貿易戦争を始めるとともに、欧州の指導者には防衛費の負担を劇的に拡大することを強いている。


ただこうした関税や各種の不透明感が米経済を減速させ、企業の景気悪化に対するぜい弱性が拡大。その結果、2月の米銀行株指数(.SPXBK), opens new tabは8%下落した。逆に欧州の銀行株指数(.SX7P), opens new tabはこの間15%も高騰した。

投資家がリスク分散化の一環として米国から欧州に資金を振り向けたからだ。

European stocks are outperforming U.S. and Chinese peers.

European stocks are outperforming U.S. and Chinese peers.


<中国資産見直し>

欧州と中国が大幅な支出に動く構えを示す中で、ドルの魅力は相対的に低下しているように見える。


RBC傘下のブルーベイの債券チームで最高投資責任者を務めるマーク・ダウディング氏は「われわれは長らく対ユーロでドルを買い持ちにしてきたが、1週間前にこのポジションを解消した。トランプ氏の振る舞いが米国資産全体の魅力度を減退させた」と述べた。


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一方、中国資産が昨年、景気鈍化と富裕層の支出減少で売りを浴びた後、中国政府は何度か内需拡大を促進する措置を講じている。


中国に投資するファンドの資金フローは昨年11月にトランプ氏が大統領選で勝利して以来ほぼ一環して流出超だったものの、2月上旬には流入超に転じ、これまでに約30億ドルが入ってきたことがリッパーのデータで明らかになった。


1月下旬には中国新興企業ディープシークの登場で、AI開発の分野でも米国の優位が揺らぐ事態が到来。1月27日以降で香港上場のハイテク株(.HSTECH), opens new tabは24%上昇したのに対して、米ハイテク超大型銘柄は12%下落した。


資産運用会社、同享投資のバイス・ゼネラルマネジャーを務めるヤン・ティンウ氏は、中国の国力増大が国内資産を支えるようになっているので、既に国内株式市場は米国の関税引き上げの打撃を受けなくなっているとの見方を示した。


ヤン氏は、動画投稿アプリのTikTok(ティックトック)やソーシャルメディア・プラットフォームの小紅書(レッドノート)などを見れば、中国の技術力が拡大している様子が分かると主張する。

それでも米経済の底堅さと相対的な金利の高さによって、長期的にドルの魅力は維持されるとの声も聞かれた。


マニュライフ・インベストメント・マネジメントのマルチ資産ソリューションズ・グローバル・エクイティーズ部門最高投資責任者を務めるネート・ズーフト氏は「(資金の流れに)変化が起きているとは思う。(しかし)われわれはこれが定常的な変化でなく、戦術的なものとみなしている」と語り、そうした観点で最近、欧州株の投資判断を「最大限のアンダーウエート」から「中立」に引き上げた。

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