第4話 誰なのあの子、、、、、?


【ねぇ、あの子じゃない?】【絶対そう、蓮先輩のなんなのあいつ笑】


はぁ、、、、こうなることは私だって予想できた。

イヤホンの音量はマックスでノイズキャンセルもしてるのに、なぜか聞こえてきそうな私へ向いた関心。もううんざりだ。



『詩音!!おーはよ!』

分け隔てなく接してくれる私の唯一の友達の優香。

中1から通う塾で知り合い仲良くなった。私と優香以外にこの学校を志望する人はいなかったし、仲良くするしかなかった。

可愛い顔に愛嬌のある話し方、初めの方は互いに仲良くする意思はなかったけれどいざ話してみると、意外に気が合ったのだ。



「おはよ、」


『やっぱ噂になってるよねー、大丈夫?』

「んーまあ??」


『どうせすぐ忘れるよ笑で!!!どうだったの?昨日』


子犬のように目をキラキラさせて聞いてる。


「如月蓮のことなら言わないよ、」


『えーーーん、教えてよお、どうだったかだけ!ね?』


「美味しかった」


優香は少し拗ねた顔をした。




【詩音ちゃん!先輩が呼んでるよーーー】


クラスメイトが私を呼ぶ声が聞こえる。

嫌な予感がした。







あれ、蓮じゃない。





『あ、来た来た。君が如月蓮の知り合い?の詩音?』


いかにも如月蓮を狙っています感全開の先輩が4人で私を取り囲む。


「はい、なんですか?」

怖くないわけじゃない。

でもさらに怖いのは私はこのせいで化学の授業に遅れて先生に怒られることだ。


『単刀直入に聞くんだけどさ、お前如月蓮のなんなの?彼女?』


怖くないと念じても怖いものは怖い。口が動かない。


『怒んないからさ?早く』

「、、、幼馴染です」


『笑笑笑幼馴染だって笑笑笑』

救われたと思った瞬間には拳をあげる先輩が見えた。


『怒らないとは言ったけど、殴らないとは言ってないからね』


頭を腕で包むようにして守りの体制に入る。

チャイム?そんなのとっくに鳴っている。


でもいつになっても拳は飛んでこない。あれ?


『誰だよ、離せよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』


私も見たことのない同い年の男の子が先輩の腕を掴んで離さない。

すごく背が高くて、、前髪で隠れた目は少し見ただけでも綺麗だった。


『先輩たちのこと、先生たちが探してますよ。』


そう彼は言い放って手を離す。

なんなんだという目をしながら先輩はそそくさと逃げた。まるで私はいなかったかのように。

目で先輩たちを追っていたせいか、私を助けてくれた彼はもう背中しか見えなかった。



「ありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ここ最近で一番声を出した。



そしてもちろん先生にはしっかり叱られた。


一体あの男の子は誰なのだろうか。

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私が校内で恨みを買っている例の女です。? @irony__

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