おとどけがかり

　───かくして、歴史は全行程を完了した。いまや地上に残るのは痕跡とがらくたのみである。

　残されたものたちはかつてそこにあった生活を再現するように最期の時を過ごしていた。

　あるものは物作りに勤しみ、あるものは誰かを治し、あるものは美味を追い求め、あるものは物語を紡ぎ、あるものは終末を記録し、またあるものは自らを考えた。

　誰もが手に職を持ち、確かに生きていた。

　そんな世界でのある日、郵便配達員のコトは知人のアルイ彫刻士のところへ手紙を届けに来たのだが……


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　皆さま、初めまして。或いはこんにちは。初音硝子と申します。

　”人でなし”たちが生きています。これは私の性癖であります。

　ではどうぞ。