第24話

「皆さん、僕の顔を知ってるよね。『ザ・ベスト・オブ・ザ・ワールド』の持ち主の家の子。

シャイニーシティーの大病院の一人息子。

エメラルド。」


誰かが、

「あ、知ってる。」

そう言うと、エメラルドは、にこにこして、自分の顔に手をやった。


エメラルドは、目から“緑”のコンタクトをはずした。


エメラルドの目は、パープルになった。


「!!!」

皆、驚いた。


「オレは、本当はあの本を読んだ事ないの。」


一番驚いているのは、

スカイだった。


「しかも、親父もオレと同じ。

でも、仕事はちゃんとしてる。

ちゃんと、医者だよ。

オレも来年、医大に行く予定―。」


スカイ以外の友人二人は、黙っている。

…知っていたのだ。


「ここに、知ってる人はいないようだけど、シャイニーシティーの住人の0.2%の人は、オレの様にカラーコンタクトをして、目の色を隠して生活してる。

意外と皆さん、目の病気をしてる。」


すると、

急にエメラルドは 声を張り上げて、

「でも、その人たちだって、

自分の能力に頼ってない!!」

…と。


エメラルドは、リジェイラの前へ行った。

「スカイを返していただきます。」

パープルの目でリジェイラに、微笑むと、

「うるせえ」…と、うろたえる。


「コークス。」

コークスは、本を大きな鞄から取り出し、

マッチを擦って、燃やし始めた。

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