第2話
将来、ピアニストになりたい。
そう夢見始めたのは、4歳の頃。
ピアノの曲をCDで初めて聴いた時だ。
ドビッシーの前奏曲を聴き、心をうたれた。
弾けたらいいな、かっこいいだろうな。
ぼくが弾きたい。
ぼくが弾いて、誰かに聴かせたい。
すぐさま、
「ピアノやりたい」
親にねだると、
母さんは快く受け止め、
ピアノを買ってくれた。
ピアノの値段を聴いて、少し怖くなって、
子供ながら、親に買わせた
『責任』をもって、
ぼくは、絶対ピアニストになってやる、と、強く心に抱いた。
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