第3話 星野さんにリベンジ。
「とりあえずまとめてみたのだけれど、時間ある?」
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前回の話し合いから、早3日私は再び星野さんとワークスペースにいた。
タイミングが良かったのか、ワークスペースは閑散としていて、前回より周りの視線も気にしなくて良さそうだ。
前回の
…その結果、私はどの社会問題にも興味がないという致命傷を発見するに至ったのである。
「私なりに考えたんだけど、ファッションを通して社会事象をみるってテーマはどうかなって。」
「私はそれが良いけれど、本田さんはそれで良いの?」
前回同様、星野さんの目が鋭くなる。
「うん。私、社会学に興味ないってわかったから!」
「…確かあなた社会学部よね?」
今度こそ噓はついてないのに呆れられてしまった。解せぬ。
「服が好きなのはホントだし。一応2人とも興味あるテーマだから。」
釈然としていない星野さんを何とか言いくるめて、資料探しに移る。
課題の締め切りは、ゴールデンウイーク明けの授業で、残り2週間を切っているのだ。
あまりのんびりもしていられない。
ジェンダーやアイデンティティの問題など、ファッションに関連付けられそうな資料を一通り集めたところで、
「ファッションってテーマが広範囲すぎないかしら?」
両手いっぱいに社会問題の本を抱えた私を見て星野さんがつぶやく。
「んー確かに。」
男女のどちらかのファッションに絞るか。
いや、年代を限定しようか。
普段使わない頭を使ったからか、やっとテーマが決まった安堵からなのか。
気が付いたら、ずっととどめていた疑問が口をついて出てしまった後だった。
「星野さんはなんでロリータ着てるの?」
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