4.堪えきれない怒り

 寝室に戻った私は、ベッドに腰を下ろすと、思わず両手で顔を覆った。涙が自然と溢れ、止まらない。夫に浮気を疑っていたとはいえ、まさか相手が美咲だなんて想定外すぎる。


「どうして……どうしてこんなことに……!」


 声に出した瞬間、込み上げる怒りが私を支配する。問い詰めたい気持ちは抑えられない。でも、今ここで突撃しても何の得にもならない。感情をぶちまけるだけでは、彼らを追い詰めることはできない。子供たちを傷つけるだけだ。


(あの二人を社会的に抹殺してやる。許さない……絶対に。)


 私はスマホの録画を止め、データを念入りにチェックした。画像も音声もはっきりと録れている。これを皮切りに、さらなる証拠を集めれば……。


「証拠を集めて、復讐する。必ず。」


 震える声でそうつぶやき、私は布団をかぶった。眠れるはずもない夜だったが、今は冷静さを保つことだけが自分と子供たちを守る術だと思い知る

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