2.揺れる不信感
その日、夕方になっても圭介からの連絡はなかった。以前なら「帰れそうにない」とか「晩御飯はいらない」といったメッセージをくれることもあったのに、最近ではそれすらもない。夫婦としての会話は、あまりにも希薄になってしまった。
子供たちは「ママ、一緒にゲームしようよ」と言ってくれるが、私の心は落ち着かない。もしかしたら圭介は浮気しているのではないか、と考え始めてから、何をしていても気が気じゃないのだ。
(そんな馬鹿な……いや、でも第三子を産んでから、身体の調子も戻らなくて自信も失っていたし……圭介は外で別の女と……?)
そんな負の想像ばかりが頭をよぎる。とはいえ、確証もなく圭介を問い詰めるのは無茶だろう。下手に動いて逆効果になるかもしれないし、私が勘違いしているだけである可能性だってある。
(でも、この胸騒ぎは何なの?)
圭介が戻ってこない夜、私はぼんやりと照明の落ちたリビングで考えを巡らせる。子供たちはすでに寝静まっている。この小さな家の中に響くのは、私のため息だけだった。
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