お嬢様の推理、少々整えさせていただきます。

古木しき

第2話 お嬢様の推理、響かせていただきます。

第2話 お嬢様の推理、響かせていただきます。


  1


「幸福というものは、いつも音を立てないのよ」

 霧川真里華は、展示室のガラスケースを覗き込みながら、唐突にそう言った。

 その言葉に、メイドの雫月霜は返事をしない。

 代わりに、その建物の温度と、窓の位置と、人の立ち位置を静かに確認していた。

 北国の平原に降り積もった雪は、風の気配も、人の足音も、遠くの町のざわめきさえも、白い層の奥へと沈めてしまう。

 その静寂のただ中に、ぽつりと一つ、建物があった。

 かつて学校だった場所――今は私設図書館幸福書房と呼ばれる、廃校を改装した古い建物である。

 夜の帳が下りると、その外観はひどく簡素だった。

 木造の壁は雪をまとい、窓枠には氷が張りつき、校舎だった頃の名残を示す時計塔は、すでに止まったまま動かない。

 だが一歩中へ入ると、そこは別の世界だった。

 書架。

 床から天井まで伸びる本棚が、かつての教室や音楽室を埋め尽くしている。

 机と椅子は読書用に整えられ、黒板の跡が残る壁には、古い絵本や楽譜が額装されていた。

 そして――展示室。

 ガラスケースの中央に、それは置かれていた。

 小さな、木製のオルゴール。

 装飾は控えめで、金属の細工も華美ではない。

 ただ、蓋の内側に刻まれた一文だけが、訪れる者の目を引いた。

 ――世界で一番、幸福な音がする。

 もっとも、その音を聞いたことがある者は、ほとんどいない。

 このオルゴールは、年に一度、クリスマスの夜にしか鳴らない。

 そういう“伝説”として、この図書館に収められていた。

 かつて、この学校に勤めていた音楽教師が、生徒のために作ったものだという。

 極寒の冬、凍てつく空気の中でしか完成しなかった音。

 幸福とは、最も静かな瞬間にこそ、姿を現すのだと――。

「まあ……素敵ね」

 展示ケースの前で、霧川真里華は、楽しげに息を弾ませた。

 雪の夜にもかかわらず、その声音は明るく、よく通る。

 コートの裾を揃え、まるで舞踏会の会場にでもいるかのように、彼女はオルゴールを見つめていた。

「年に一度しか鳴らない音、ですって。ロマンがあるわね、霜」

「はい、お嬢様」

 隣に立つ時代にそぐわぬ英国ビクトリア朝風のクラシカルメイド服に見を包んだ雫月霜は、いつもと変わらぬ静かな声で応じた。

 視線はオルゴールではなく、展示室全体に向けられている。

 窓の位置、床の軋み、ガラスケースのわずかな歪み。

 人の目が飾りに向かうとき、彼女は必ず、背景を見る。

「もっとも――」

 真里華は、楽しげに指先を顎に当てた。

「……失ったときにだけ、幸福は輪郭を持つのよ。ね、そう思わない? 霜?」

 その問いに、霜は答えなかった。

 ただ一瞬、展示室の窓辺へと視線を走らせる。

 外には、氷柱が垂れ下がっていた。

 ――そのうちの一本だけが、わずかに短いことに、彼女はすでに気づいていた。

 そして、この夜。

 幸福書房から、音が消える。

 オルゴールは、確かにそこにあったはずなのに。


  2


 幸福書房の閉館時刻は、冬になると早い。

 日が落ちるのが早い北海道では、夜の訪れが人の感覚を狂わせる。

 まだ夕方のつもりでいても、外はすでに深夜のように暗い。

 この日も、時計が示すのは午後五時半だったが、窓の外に広がるのは、音のない夜だった。

 展示室には、真里華と霜のほかに、三人の来館者が残っていた。

 一人は、白髪の老人だった。

 元校長――そう呼ばれている男は、分厚いコートの襟を立て、ガラスケースの前に立ち尽くしている。

 背は低く、背筋は少し丸まっていたが、その眼差しだけは、驚くほど澄んでいた。

 まるで、懐かしい旋律を胸の内でなぞるように、彼はオルゴールを見つめている。

「……今年も、鳴るんでしょうな」

 誰に向けたとも知れぬ独り言だった。

 幸福書房が図書館になる前、この建物が学校だった頃。

 彼は校長として、この場所に立っていたという。

 音楽教師と、あのオルゴールの伝説を、誰よりもよく知る人物でもあった。

 二人目は、若い女性だった。

 都会から来たという彼女は、厚手のコートを羽織り、小さな手帳を抱えている。

 視線は展示室を行き来し、時折、何かを書き留めるように指先が動いた。

「……なるほど。実物を見ると、思ったより地味ですね」

 その声には、観察者特有の冷静さがあった。

 彼女は作家だという。

 最近は筆が止まっており、この《幸福書房》の伝説を、新作の題材にしようと訪れたらしい。

 幸福という言葉を、どこか距離を置いて眺める目をしていた。

 三人目は、背の高い男だった。

 地元の郵便局員で、制服の上に防寒着を着込んでいる。

 腕時計を何度も気にする仕草が落ち着かず、視線は出口と展示室を行き来していた。

「すみません、もう閉館ですよね?」

 急かすような口調だったが、声そのものは穏やかだ。

 ただ、その手が、無意識にポケットの中身を確かめるように動いているのが目についた。

「はい。本日はこれで閉館」

 真里華は、にこやかに答えた。

「せっかくのクリスマスイブですもの。皆さま、最後までこの“幸福”をご覧になっていってくださいませ」

 元校長は、嬉しそうにうなずいた。

 作家の女性は、小さく息を吐き、手帳を閉じる。

 郵便局員だけが、わずかに眉をひそめた。

 そのときだった。

 霜は、展示室の空気が、ほんのわずかに変わったことを感じ取っていた。

 寒さではない。

 人の気配でもない。

 ──音が、欠けている。

 鳴っているはずのものが、鳴っていない。

 あるべき余韻が、どこにも残っていない。

「……お嬢様」

 霜は、小さく声を落とした。

「なぁに?」

「展示ケースを、ご覧ください」

 真里華が振り向き、ガラスの向こうを見る。

 そこにあったはずの、小さな木製のオルゴールは──消えていた。


  3


 展示室に、沈黙が落ちた。

 ガラスケースの中は、空だった。

 そこにあったはずの木製のオルゴールは、影も形もなく消えている。

「──あら」

 真里華は、ほんの一拍遅れて声を漏らした。

 驚愕というよりも、意外そうな響きだった。

 まるで、舞台装置が思いがけず動いたのを見た観客のように。

「おかしいわね。確かに、先ほどまでは……」

 彼女はゆっくりとケースの周囲を見回した。

 鍵はかかっている。

 ガラスに割れた跡はなく、台座も乱れていない。

「消えた、というより……消失、ですね」

 霜の声は、雪より静かだった。

 その言葉に、三人の来館者が一斉に息を詰めた。

「な、なくなった……?」

 元校長の顔色が変わる。

 皺だらけの手が、思わずケースに伸びかけ、途中で止まった。

「そんな……あれは、あの音は……」

 作家の女性は、無言で手帳を開いた。

 ペン先が紙に触れたまま、動かない。

 郵便局員は、一歩、後ずさった。

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ。俺、そんな……盗むなんて――」

「落ち着きなさい」

 真里華の声は、よく通った。

 その場の空気を掌握するように、彼女は一歩前へ出る。

 背筋を伸ばし、視線を三人に向けた。

「ここは、外界から隔絶された場所。閉館時間まで残っていたのは――皆さん、三人だけ」

 元校長が、わずかに目を伏せる。

 作家の女性は、視線を逸らさない。

 郵便局員は、唇を噛んだ。

「雪原の真ん中に建つ、この図書館。窓も扉も閉ざされ、足跡ひとつ残らない夜。となれば、これは外部犯ではないわ」

 真里華は、指先で空のケースをなぞった。

「つまり──内部の問題よ」

 彼女の声に、確信が混じる。

「物理的な盗難。誰かが、ここからオルゴールを持ち出した」

 霜は、その言葉を聞きながら、静かに一歩引いていた。

 真里華の推理が、どこへ向かうのか。

 彼女には、すでに見えている。

「ご高齢の方が、思い出の品を手放せなかった可能性」

「創作のために、実物を必要とした作家の衝動」

「あるいは、急ぎの用事に追われ、つい……」

 真里華は、一人ひとりの顔を見つめる。

「だけれど、感情は必ず行動に痕跡を残すのよ」

 真里華が前に歩み出て、

 「――持ち物を確認をするわ」

 そう、宣言した。

「霜。お願い」

「かしこまりました」

 霜は三人の前に進み、淡々と手荷物の確認を始めた。

 元校長からは、ハンカチと古い懐中時計、小さな手帳。

 作家の女性は、ポケットにはスマートフォン、手帳、バッグを開く。

 他に財布、ノート、ペン、文庫本。録音用の小型機器。

 郵便局員は、一瞬だけためらい、それから防寒着のポケットを探った。

 鍵束、スマートフォン、手袋。

 ──どこにも、オルゴールはない。

「あら……?」

 真里華の眉が、わずかに動いた。

「おかしいわね。確かに、持ち出すにはそれなりの大きさがあるはず……」

 彼女は顎に指を当て、思考を巡らせる。

「となると──隠した? あるいは、まだこの建物のどこかに?」

 その瞬間、霜は、展示室の床から視線を上げた。

 窓。

 その下に垂れ下がる、氷柱。

 一本だけ、短い。

 そして、雪の上に──足跡は、なかった。

 だが、霜はまだ、何も言わない。

 今は、真里華の“推理の時間”だからだ。


  4


 真里華は、元校長の前に立った。

 先ほどまでの華やいだ雰囲気は消え、視線は鋭い。

 だがその鋭さは、刃というより、磨かれた鏡のようだった。

「校長先生」

呼びかけられた老人は、びくりと肩を揺らす。

「あなたは、このオルゴールを誰よりも大切に思っていらした。そうよね?」

「……ええ」

 元校長は、ゆっくりとうなずいた。

「この学校で、あの音楽教師と共に過ごした時間。生徒たちの歌声。そして、あの“幸福な音”……」

 真里華は、穏やかに続ける。

「人は、強い喪失感に直面したとき、無意識に“代償行為”を選ぶことがあるの。

 失われる前に、手元に留めておこうとする――心理的防衛ね」

 老人の指先が、かすかに震えた。

「ち、違う……。わしは、ただ……鳴るところを、もう一度……」

「ええ。だからこそ、よ」

 真里華は一歩近づく。

「持ち出したのではない? ほんの一晩だけ。誰にも見せず、誰にも渡さず──ただ、ご自身のために」

 沈黙。

 元校長は、唇を噛みしめ、やがて首を振った。

「……ない。わしのポケットにも、鞄にも……」

 実際、何も出てこなかった。

 真里華は、少しだけ目を細めた。

「……そう」

 次に、彼女は作家の女性へと向き直る。

「あなたは、幸福という言葉に距離を置いている。けれど同時に、それを“物語”にしようとしている」

 女性は、静かに視線を返した。

「伝説は、実物がなければ説得力を持たない。音を“聞いた”という事実が、書くための鍵になる――そう考えても、不思議ではないわ」

「……否定はしません」

 作家は、淡々と答えた。

「でも、盗んではいない。私は、書くために来たのであって、隠すためじゃない」

 彼女の鞄の中にも、オルゴールはなかった。

「……ふむ」

 真里華は、最後に郵便局員を見る。

「時間に追われる職業。日常に埋もれた幸福を、無意識に疎ましく感じることもある」

「ちょ、ちょっと……」

 男は、慌てて手を振った。

「俺、音楽とか、詳しくないですし……そもそも、あんなもん、どうやって──」

「──そうね」

 真里華は、ふっと息を吐いた。

 三人。

 動機はある。

 心理的説明もつく。

 だが──物がない。

「おかしいわね……」

 彼女は、小さく呟いた。

「心理は揃っているのに、行動が伴っていない。まるで――“盗まれた”という前提そのものが……」

 そこで、霜が、初めて口を開いた。

「……お嬢様」

 低く、静かな声。

「なぁに、霜?」

「おひとつ、ご確認してよろしいでしょうか」

 霜は、展示室の隅を指さした。

「こちらの窓──本日は、開いておりましたか」

 真里華は、はっとして振り向く。

「……え?」

 元校長が、ゆっくりと答えた。

「いや……閉めたはずだが……寒かったからな……」

 作家も首をかしげる。

「私も、開いているとは……」

 郵便局員だけが、一瞬、言葉に詰まった。

「……閉めた、と思います。……たぶん……」

 霜は、窓辺へと歩み寄る。

 ガラスは閉じられている。

 だが、縁に残る氷の付き方が、不自然だった。

「外気が、入り込んでいた痕跡があります」

 そう言って、彼女は視線を下げる。

 窓の外。

 垂れ下がる氷柱。

 霜は黙り続けていた。

 その沈黙は、否定ではなく――反証の準備だった。

「……一本だけ、短い」

 真里華の視線が、そこに吸い寄せられる。

「それが、どうかしら?」

 霜は、答えない。

 代わりに、展示ケースの台座を、そっと見下ろした。

「――音が、しませんでした」

「……音?」

「はい」

 霜は、静かに続ける。

「鳴らない、のではありません。“鳴った痕跡がない”のです」

 真里華は、その言葉を、ゆっくりと反芻した。

 そして、初めて──自分の推理が、別の場所へ導かれつつあることに気づいた。

「……霜」

 彼女は、小さく微笑んだ。

「ふふ。どうやら、私──また少し、考えすぎていたようね」

 霜は、何も言わなかった。

 ただ、その沈黙が、次の“整え”の始まりを告げていた。


  5


 霜は、展示室の中央に戻った。

 足取りは静かで、急ぐ様子はない。

 まるで、この場にあるものがすべて、すでにそこに“ある”と知っているかのようだった。

「──盗難が起きた、と考える前に」

 彼女は、ガラスケースの下──台座へと視線を落とす。

「おひとつ、確認すべきことがございます」

 そう言って、霜は屈み込んだ。

 真里華は、その背中を見つめる。

 霜がこうして動くとき、事件はいつも、音もなく終わりに向かう。

「こちらの展示台──敷かれているのは、古い新聞紙ですね」

 霜は台座の端に指をかけ、そっとつまみ上げた。乾いた紙は波打ち、浅い溝のようになっている。

 元校長が、はっと息を呑む。

「……ああ。あれは、昔からそうで……」

「緩衝材、です」

 霜は淡々と言った。

「木製の展示物は、温度変化に弱い。そのため、直接台座に置かず、紙を挟んでいたのでしょう」

 彼女は、新聞紙をそっと引き抜く。

 かさ、と乾いた音がした。

 そして──

「……ここです」

 霜の声と同時に、小さな木製の塊が、新聞紙の中から転がり出た。

 展示室に、息を呑む音が重なる。

 そこにあったのは、紛れもなく──消えたはずのオルゴールだった。

「な……?」

 郵便局員が、呆然と呟く。

「下に……あった……?」

 真里華は、目を瞬かせた。

「……なるほどね」

 霜は、オルゴールを拾い上げることはせず、静かに説明を続ける。

「本日、展示室の窓は完全には閉まっていませんでした。その結果、外気が入り込み──内部の金属部品が、急激に冷却されました」

 霜は一度、言葉を切った。

「郵便局員の方は、閉館時間を気にしておられました。

急ぐあまり、窓枠に手をかけたまま、最後まで押し切った“つもり”になっていたのでしょう」

 郵便局員は、頭をかいて、

「……ああ。そうか……」

 そして、視線を落とし、

「いつも、配達のときもそうなんです。ドア、閉めたつもりで――後で、風が入ってたって言われることがあって……」

 彼女は、視線を窓へ向ける。

「氷柱が、不自然に短くなっていた理由です。冷気が集中した証拠です」

 真里華の脳裏で、言葉が繋がっていく。

「……収縮、ね」

「はい」

 霜は、うなずいた。

「金属が縮み、内部のバランスが崩れた。その結果、オルゴールは台座の上でわずかに動き──」

 彼女は、新聞紙を指さす。

「緩衝材の隙間に、滑り落ちました」

 静かな沈黙。

 誰もが、足元を見つめていた。

「……つまり」

 作家の女性が、静かに言った。

「盗まれたんじゃない。最初から……ここにあった」

「……はい」

 霜は、頷いた。

「“消えた”のは、物ではありません。音と、記憶です」

 元校長の肩が、ゆっくりと落ちた。

「……鳴らなかった、から……なくなったと思い込んだ……」

「……そういうことです」

 霜は、最後にオルゴールを拾い上げた。

 真里華が、その横に並ぶ。

「霜」

「はい」

「――鳴らしてみても、よろしいかしら」

 霜は、一瞬だけためらい、やがて小さくうなずいた。

 真里華が、そっと蓋を開ける。

 からん、と微かな音がした。

 決して大きくはない。

 派手でもない。

 だが、なぜか──

 胸の奥に、ゆっくりと染み込んでくる。

 幸福書房に、久しぶりの音が戻った。

 失われたと思った瞬間に幸福は形を持つ。

 音も同じ。――気づいた時には、胸の中で鳴っていたのだ。

「……不思議ね」

 真里華は、静かに言った。

「この音、特別な仕掛けがあるわけでもない。でも、人の心を落ち着かせる周波数を含んでいる」

 彼女は、微笑む。

「幸福な音、というのは――音そのものではなく、それを“失ったと思った瞬間”に、完成するのかもしれません」

 元校長が、目を潤ませた。

 作家の女性は、手帳に何かを書き留める。

 郵便局員は、ほっと息を吐いた。

「メーテルリンクの『青い鳥』をご存じ?」

 真里華は、誰にともなく語りかけた。

「幸福は、遠くへ逃げたように見えて──実は、ずっとすぐそこにあった」

 彼女は、オルゴールをそっと閉じる。

「この音も同じね。消えたと思った瞬間、人はようやく──どれほど大切だったかを、思い出すの」

 少し、間を置いて。

「……つまり」

 霜が、淡々と口を挟んだ。

「今の講釈は──お嬢様の推理が外れた事を正当化するための──心理学的アプローチ、ですね。

 あと……また、メーテルリンクの引用……。お好きなのですね」

 真里華は、一瞬固まり、それから、ふっと笑った。

「……バレた?」

「……はい」

 霜は、少し穏やかな声で答えた。

 雪の夜に、再び静寂が戻る。

 だが今度は、誰もそれを“空虚”とは思わなかった。

 幸福の音は、確かに──そこにあったのだから。

 お嬢様探偵官とその助手でメイドの霜は静かに《幸福書房》を立ち去った。

 扉が閉まると、校舎はまた雪に包まれた。

遠ざかる足音だけが、しばらく廊下に残って――やがて、それも消えた。

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お嬢様の推理、少々整えさせていただきます。 古木しき @furukishiki

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