第4話

 我々は、宇宙から地球に届く電波を解析し、宇宙人からのメッセージを探している。


 誰も来ない森の中の広場。建物の外には、見上げるような巨大なアンテナ。これで電波を傍受し、昼夜を問わずに交代制で今日も監視を続けている。


 監視小屋の中は、ブラウン管モニターとパソコンとフロッピーディスクの山。紙の記録用紙も散らかったままで、酷い有り様だ。


 記録されているのは殆どが地球上の電波で、宇宙から来たと考えられたものは過去にひとつも無い。


 だが、今日のたった今だけは違った。


「ワオ。これって、もしかしたら宇宙人のメッセージなんじゃないかな?」


「何だって。何て言ってるんだ?」


「まずは博士に電話だろ?」


「解析パソコンを起動しよう。初めてだな。操作出来るかな?」


「博士…。博士…。出てくれよ」


「博士は何だって?」


「興奮し過ぎて、何言ってるか分からん。ほっといても飛んで来るだろうよ」


「おっと、一部分だけだが解析出来た。読み上げるから待ってくれよ。えーと…」








「ここは…」


「俺に任せて…」


「先に行け…」








「…」


「…」


「何、これ?」


「分かんない」


 夜空の向こうで悩んでいるのは、我々だけではないのかもしれない。

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その夜空の向こう側 丸千 @sen-maru

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