第2話 何を書こう

 部活に入ったらやる事は一つだろう。サッカー部ならサッカーを、野球部なら野球を、バレー部ならバレーを。文芸部だったら文字を書く事だ。

 この学校の文芸部がやれる事は主に三つ。


 一、小説、詩を書く。

 二、イラストを描く。

 三、話す。


 三番目は暇ならという感じだ。文化祭は働くらしいがそれ意外は別に自由らしい。特にやらなければならない事はない。それでも早めに作品を作っていて損はない。だから、小説を書く事にした。適当にパソコンに打ってみたがあまり上手く書けていない。打っては消し、打っては消し、の繰り返しだ。

 言い忘れていたけど、小説はパソコンで打って良い事になっている。これなら管理が楽で、実際に印刷する時に手間がかからない。

 急ぎの用事でもないからすぐに完成させる必要ないとは言うもののネタがないのは流石に困る。他の人を参考に出来ないかと思い話しかける。

 とりあえず近くにいた文月さんに声をかけた。


「文月さん」

「は、はい」

「文月さんは何を書いているの?」

「イラストを...」

「そうなんだ」


 会話終了。イラストを書いていたらしい。


「二人は?」


 先に返事をしたのは作崎さんの方だった。


「別に今はいいかな」


 つまり何もしないと。本山さんは面倒だと言いたげな雰囲気のまま淡々と質問に答えた。


「何も、作品作りたくないから」


「......」



 大丈夫かこのメンバー。雲行きが怪しすぎる部活だった。

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文芸部の日々 虚偽 雹 @Kuronikuru42997

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