第3部 私、本当のママになる
第25話 歩夢のマザコンはそう簡単に治らない
俺のマザコンってそんなひどいものなのか?
悩んだ時は相談にするのが1番だ。
すぐに呼べるのは鈴奈だ。
さてと。
「助けて、すずえもん」
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん、鈴奈ですよ」
鈴奈が俺のすぐそばに現れた。
多分、最初から近くにいたんだ。
「ネタ古くね? くしゃみはしてないぞ」
はくし○ん大魔王ってどんだけネタが古いねん、なんで俺も鈴奈もそのネタを知ってるし。
「ナイスツッコミです、兄様、では、どら焼き一個ください」
鈴奈は右手を差し出してきた。
「わさび味でいいならば」
「えー、私はのぶよ味も好きです」
そう言って、鈴奈はむっーと頬を膨らませる。
うん、ドラえもんの声優ネタは令和にはどう考えても通じにくいけど、鈴奈だから仕方ない。
「どら焼きのわさび味だってあるのかと思ったけど、のぶよ味なんてもっとないと思うぜ」
「大先輩の声優ネタに乗るのは、声優としては当然ですっ! 兄様が仕掛けたんです!」
鈴奈の声が頭にガンガンと鳴り響いてくる。
さっきから頬を膨らませているが、もはやリスみたいだ。
この可愛い怒り顔もわざとだろうな。
「たかがネズミ一匹のせいで人類を半壊させようとするアニメの話をされたら、興奮しかしませんわ」
「鈴奈、お前は悪女かよ」
「いやですわ、兄様」
鈴奈が首を横にぶんぶんと振る。
なんかひでぇことを言ってしまった。
謝ろうか。
「ごめんな」
「私は大魔王ですよ」
「もっとタチが悪りぃじゃねぇか!」
「もうムスカ様じゃものたりませんわ、人はそもそも宇宙から見たらゴミクズですよ」
「こぇーよ、鈴奈。なんか変な境地に至ってるし!」
鈴奈は頬に両手を当てて、恍惚した表情を浮かべていた。
だから、こえぇーって。
「本当、鈴奈ちゃんと歩夢くんは仲良いね」
めぐりはほんわかと笑っていた。
以前と違って、怒った様子は見せない。
なんだか余裕があるように見える。
「鈴奈はブラコンだから」
「兄様はシスコンですから」
俺と鈴奈の声がかぶった。
「2人とも両思いなんだね」
めぐりは楽しそうにはふふっと笑う。
「兄様兄様、ちはる母様に兄様の側室にさせてくださいと頼んだら、面白いからいいわよって言われましたわ」
「鈴奈の行動力は相変わらずだなっ」
鈴奈はすごく楽しそうに笑っていた。
なんか幸せそうだ。
「お母様には本当、兄様のことが好きですねとすごく褒められました、撫で撫でずっとされました、えへへ」
鈴奈が撫でて撫でてと褒めろというアピールをしてきた。
俺はよしよしと撫でる。
「今度はめぐり姉様も撫でてください」
「うん、いいよ」
めぐりは「よしよーし」と言いながら鈴奈の頭を撫でる。
鈴奈は目を細めてとても幸せそうだった。
なんか前よりずいぶん義妹っぽいな。
めぐりもすごく楽しそうだ。
鈴奈って自分が自分がって結構わがままなところあるからちゃんとお姫様扱いしないとな。
「鈴奈姫、いかがいたしましょうか?」
「兄様、私はお姫様じゃないですよ?」
鈴奈は不思議そうに首を傾げる。
あれ、間違ったか?
「私は鈴奈ですよ?」
俺は優しく撫で撫でする。
なんか撫でたくなったのでもう一回撫でてみる。
ちなみに俺のすぐそばでめぐりもまだ撫でている。
「兄様は私を今まで通り妹を可愛がる兄という職業を続けてくださいませ、姉様もできましたし」
「私も?」
めぐりは少し大きな声をあげる。
突然のことで驚いたようだ。
「親切なので私が丁寧に教えてあげます。私は女ではなく、義妹ですよ?」
「いつも通りの鈴奈だな」
「なので、私も兄様と結婚します」
「そこはブレないのかよっ!」
「ふふっ、あとは兄様次第です」
鈴奈がにひぃーと笑いかけてくる。
「めぐり姉様、やっぱり私たちの結婚生活いかがいたしますか? 正室と側室は違いをつけないと」
「今からそういうことを考えるのも楽しそうだね、鈴奈ちゃん」
めぐりは温かい目をしながら、引き続き鈴奈を撫でている。
何この義理の姉妹。
俺、めぐりを鈴奈に取られていないか?
「そうだ、兄様がマザコンに悩んでるだろうと思って、美咲さんを呼んでいたんでした!」
鈴奈が突然、大きな声を出した。
「エスパーかよっ!」
ぴんぽーん。
誰かが来た。
どうやら噂をしていたら、ちょうど来たようである。
「お邪魔しまーす」
美咲ちゃんがやってきた。
「いらっしゃーい」
めぐりが最初に迎えてくれた。
もはやこの家の奥さんと見間違えてしまう。
「兄様の先生でーす」
そういえば、美咲ちゃんも母親に溺愛されていると言っていた。
俺と極めて近い状況にいると俺は勝手に思っている。
「美咲ちゃんはマザコンじゃないのか?」
「お母さんは大切してますけど、そこまで依存するというか、歩夢先輩みたいではないです」
鈴奈が目を輝かせながら、手をぱんと叩いた。
ちなみに、めぐりはそんな鈴奈を楽しそうに眺めいる。
「そうですわ、きっと美咲さんの母乳を飲めば解決しますよ?」
めぐりが横でくすりと笑った。
一方、美咲ちゃんはすぐに顔の色がイチゴ色に変わった。
「まだ出ないよっ!」
「まだ?」
鈴奈がにまぁとすると、美咲ちゃんがそういうと胸を両手で隠す。
顔から耳まで真っ赤っかだ。
なんかこっちまで恥ずかしくなってきた。
「知ってますか? 美咲さんってすごくおっぱいでっかいんですよ、兄様」
「いちいちうるさいよっ、鈴奈ちゃん! めぐり先輩、鈴奈を何とかしてください」
美咲ちゃんが大きな声をあげていた。
やっぱり怒りたくなるよなぁ。
めぐりは不思議そうに首を傾げている。
「鈴奈ちゃんはいつも通りだよ?」
あまり疑問に思ってないようだ。
ブレーキ役がいないせいで鈴奈の勢いが止まらない。
「兄様がハーレムを作ればいいんですよっ!」
「刑法184条で重婚は禁止だよっ」
美咲ちゃんが即答した。
「すごいねぇ、美咲ちゃん詳しい」
めぐりが両手を口に当てて、可愛らしく驚いていた。
「私、調べましたし」
指をちょんちょんと合わせて恥ずかしそうにしている。
そんな美咲ちゃんをいつの間にか「よしよし」とめぐりは撫でていた。
「めぐり先輩、恥ずかしいです」
美咲ちゃんはそう告げるが、撫でられることは抵抗しない。
めぐりはなんだか幸せそうだった。
そんな美咲ちゃんを見てら鈴奈が少しムッとしている。
「じゃあ、兄様は籍を入れず、ずるずると私たち3人とハーレムしてればいいです」
「法律には引っかからないけど、社会の爆弾すぎるよ」
鈴奈は目を爛々としている一方、美咲ちゃんはジト目だった。
「もう面倒くさいですわね、重婚が問題ない異世界転移するしかないですね」
「鈴奈ちゃんならやりかねないからそういうこと言うのもやめて」
美咲ちゃんは「はぁー」と大きなため息をついた。
今日も今日とても、鈴奈は鈴奈だった。
そんな鈴奈を温かい眼差しで見つめるめぐり。
鈴奈に振り回される美咲ちゃん。
以前とは雰囲気が変わり、ほっこりした空間になってるなぁと思う。
ただし、俺の良心次第でハーレムができるかできないかが変わるので、理性は大切にしようと思うのであった。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
というわけで、第3部開始です
もし、
鈴奈ちゃん、すっごくかわいいです。
めぐりちゃん、可愛い
美咲ちゃん、可愛い
と思ってくださいましたら、
♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。
レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。
次回から歩夢くんの母、ちはるさんの久々の登場となります
公開日は5月23日6時頃です。
お楽しみに!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます