第24話 私、めぐりは歩夢君のことを愛しています
「私、恋人になったけど歩夢のママになることも諦めるつもりはないよ?」
「えっ! そうなの!」
「歩夢くんがマザコンを卒業するまで」
めぐりの目は座っていた。
いろいろ考えてくれるんだなぁ、めぐり。
小さい頃からやたらしっかりしているだけはある。
「え、え、なんか悪い」
「謝ることないよ、歩夢くん」
めぐりはそういって微笑んだ。
言い方がなんかママというより恋人っぽい。
「それより恋人らしいことしようぜ、膝枕とか」
「もうやったよ?」
めぐりはぱちぱちと瞬きをした。
そうだなぁー、そうなると。
「キスとか」
そう言った瞬間、恥ずかしくなった。
めぐりも右手で軽く押さえて、恥ずかしそうにそっぽを向いてる。
これはまだお互いハードルが高かった。
「無難にデートとかしないか?」
「私はお家の方が落ち着くんだけど」
めぐりがもじもじしながらそう言っていた。
正直、俺もめぐりとお家を過ごすことをしていたい。
けれど、ちょっと恋人っぽいこともしたいという思いもあったりする。
めぐりが困った様子を見せる。
「私、道場以外、特に行きたい場所ないよ、剣以外ないつまらない女だよ? ずっとそれしかしてないもん」
「じゃあ、剣の博物館あるから教えてくれよ」
「歩夢くんが行きたいなら行くけど?」
めぐりはしぱしぱと目を瞬かせる。
今日はめぐりの驚いた姿ばっかりを見る。
告白をしてくれたのも勢いだったのかなぁー、俺自身もまだ現実って感じがしない。
「行きたいっ! めぐりのオシャレしてるところみたい!」
「そんなことが理由なの? 別に家でも着るよ」
「外で見たいんだって」
「そういうもんなのかなぁ?」
めぐりは不思議そうに首を傾げる。
可愛い彼女の気合の入ったおしゃれ姿を見る。
これは全ての男のロマン。
そこだけは譲れなかった。
こうして、めぐりと俺は恋人同士になってから初デートすることになった。
※
「お待たせ、歩夢くん」
初っ端からデートは最高だった。
おしゃれしているめぐりを見て、俺は思い出したことがある。
それはめぐりがそばにいることを周りにすごく羨ましがられるのだ。
めぐりが通るたびに道行く人が振り返る。
人々の視線を集めてしまうほどの存在感。
めぐりが着ている服は妖精が現実に現れたかのようなすっごく甘々なファッションだ。
ワンピースは薄い水色で清楚感たっぷりだ。
スカートは風に合わせてひらりと揺れるのがただただ美しい、可愛い、エロティック。
胸元には濃い青のリボンがちょこんと乗っかっている。
お姫様じゃない限りこんな上品な格好はしないんじゃないだろうか。
髪には金色に輝くハートピン、耳元もキラキラ輝くピアス。
なんだが現代のお姫様だったらこんな格好をするかもしれない。
肩には青いショルダーバックをかけており、どことなく高貴に見えるから不思議だ。
そんなふうに、めぐりに見惚れている間に刀剣博物館に着いた。
「歩夢くん、さっきからぼっーとしてるけど、どうしたの?」
「いやっ、めぐりが可愛くて」
「あ、うんっ」
めぐりがしゅぽっと顔を赤くする。
あ、やべ。
心の声が漏れてしまった。
なんとかしないとこの雰囲気。
「一応、今日デートだから」
めぐりがポツリと告げた。
俺のためにどんな服を着ようかいろいろ考えてくれたのかなぁと思うと、にやけそうになってしまう。
「行こうか」
「そうだね」
俺たちは刀剣博物館に向かった。
※
正直、刀のことは知らない。
代わりにめぐりを見ていた。
めぐりは熱い眼差しを剣に向けていたり、時々剣を持ってるかのように素振りしている。
「歩夢くん、楽しいの?」
めぐりは不安げな顔を浮かべている。
「あー」
俺はすぐにそう答える。
嘘ではない。
「ならいいけど」
めぐりはあまり納得してなさそうだった。
何か剣に興味があるようなところを見せなければならない。
「大業物見たりしないか?」
「いいよ」
めぐりはほっと息を吐いた。
俺がこのデートを楽しんでいるかを気にしてくれているようだ。
別に俺はめぐりがいるだけで楽しいのだ。
こんな機会じゃないとめぐりが妙に熱っぽいところを見ることができたりなどしない。
剣についてオタッキーなこだわりがある。
物欲はないのに剣だけは「いいなぁ、欲しい」なんて妙にがめついところ。
目をキラキラさせているめぐりなんて子供っぽい。
いろんなめぐりを知ることができる。
「どうしたの? 剣じゃなくて私ばっか見て」
「めぐりを見てるのが楽しくって」
「もうっ、歩夢くん!」
めぐりが小さく拳を作り、俺の胸を叩いてくる。
少しだけ痛かった。
めぐりを見ると顔を赤らめていた。
こういうところを見ると、めぐりって女の子なんだなぁとオシャレしてるのも相まって、改めて思い出す。
「めぐり、ちょっとこっち来てくれ」
「なーに? 歩夢くん」
俺が周りに人のいない場所へ行こうと誘うと、めぐりもちょこちょこと寄ってきた。
「好きだよ、めぐり」
「ふぇっ!」
めぐりらしからぬ大きな声が出た。
すると、めぐりは「はっ」と口を押えて、きょろきょろと周りを見渡す。
「別に周りに人はいないよ」
人がいない場所を選んだのだ。
少しロマンチックな気分になりたかったからでもある。
「俺のこと、好きなのか?」
「もちろんだよ」
めぐりが返答するまでコンマ数秒。
そう思わされるほど早かった。
「俺のどこが好きなところなんだ?」
「いつも何かのために頑張れるところとか」
「分かった、俺マザコン克服できるように頑張るよ」
「また頑張っちゃうの、可愛い」
ちゅっ。
「キスしたかったんでしょ」
唇周りを舌でペロリと笑っているめぐりが視界に飛び込んできた。
俺はまたキスされたのか。
改めてマザコンを克服しようと思う俺だった。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
というわけで、歩夢君とめぐりのデート回でした。
もし、
めぐりちゃん、すっごくかわいいです。
歩夢君、うらやましい
今回の話も面白い
と思ってくださいましたら、
♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。
レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。
次回からは第3部です。
ほっこり回ですね、和むんじゃないかなぁ?
公開日は5月22日6時頃です。
ぜひぜひお楽しみに!
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