第23話 第2次ばぶみ対戦 めぐりリベンジ
「私の愛に勝てるものがいるなら出てきてください。私よりすごい人をこの目で見たことがないんですよ、興味があるんです。存在するんですか?」
「あまりいないかもね」
めぐりに対して、鈴奈が目をきらっきらにして、迫ってきている。
「さぁ私にめぐり姉さまのパッションをすべてぶつけてみてくださいな、兄様のすべてを私以上に愛しているんですか?」
「それなりには」
めぐりは静かにうなずく。
鈴奈は両手を広げて、俺を迎える体制満々だった。
仮に俺が鈴奈のそばにいたら、ぎゅううううううううううううううとされただろう。
「私よりすごいんですか? ぜひ私程度は超えてみてくださいね、すっごく楽しみにしてます!」
鈴奈はすごく楽しそうだった。
「いいよ、やってみる」
めぐりはめぐりで目は座っていた。
なぜだか、剣道をやっているときのめぐりを思い出した。
「前回みたいだったらその場でご勘弁ですよ? 上っ面の常識をかじっただけじゃだめですからね」
「そうだね、そこは納得してるよ」
やけにめぐりは静かだった。
「社会では自分のやりたいことなんてどうでもいい、お客さんが望むことを提供すればいいだけなんです」
「鈴奈ちゃんはそう思ってるんだね」
鈴奈がうなづいた。
まだしゃべるのをやめる気はないようである。
「単に本人がやりたいことと一致すれば高いパフォーマンスになり、モチベが高い傾向にあるだけです。本人のやりたいことが他人にやりたいことと完全に一致しない限り、他人のやりたいことをやるだけに集中した方がいいです」
「うん、それで?」
「それぐらい基本的には他人に役に立てない程度にしか自分のやりたいことを社会に役に立つレベルにまでできない才能しかない奴がほとんどです。つまり、人に役に立つこと以外やるな、基本的にほとんどの人間は天才じゃないですからね」
鈴奈がウィンクをして、右頬に右人差し指を置いた。
「鈴奈ちゃんは?」
「え?私ですか?」
めぐりが淡々とした声に対して、鈴奈が目をぱちぱちとさせる。
まさか、聞かれると思っていなかったようである。
「天才ですので好き勝手にやれば勝手に社会のためになりますよ?」
めぐりはじっと鈴奈を見ていた。
何を考えているんだろう?
「さあさあさあさあさあさあさあさあさあさあ!」
鈴奈の目がらんらんとさせていた。
圧がとにかくすごい。
「いいよ」
めぐりの目は覚悟が決まっているようだった。
個人的には、俺なら鈴奈にドン引きするところだが、めぐりが全く動じないのがすごいと思う。
ぱーん。
鈴奈が大きな拍手を一拍した。
「さてと、始めましょうか」
鈴奈がさきほどと全く違うにこやかに顔を見せてきた。
静かな足取りで足音一つ立てず、めぐりはソファに向かう。
めぐりがソファに座った後、ひざをぽんぽんとしてきた。
「歩夢君、私の膝においで」
俺は頭をめぐりの膝に置き、仰向けになる。
にこっ。
めぐりの顔がどんどん近づいて行った。
「え?」
俺が声を発した直後、俺とめぐりの唇は重なった。
「愛がいると思うよ」
めぐりがめちゃくちゃ笑顔だった。
なぜかエロティックさも感じるのはなんなんだろう。
俺はキスされたみたいだった。
「めぐり、それってどういう意味?」
俺は急いで起き上がった。
めぐりはにこっと一瞬目を向けただけで鈴奈をじっと見つめている。
「愛と来ましたか? さすがですね」
鈴奈が何度か深呼吸をしていた。
すると、鈴奈がじっと俺の目を見つめてきた。
「兄様は健全な関係をお望みでしたね」
鈴奈はニコッと笑う。
なんだか寂しそうな表情に見えた。
「血が繋がっていれば、私はバブみのみに専念できましたが、ついつい女になってしまいました」
鈴奈は「あら?」と首を傾げる。
「あっ、メスになってしまいした」
「言い換える必要あったか?」
やっぱり、いつも通りの鈴奈かもしれない。
鈴奈はくすくすと笑っている。
抱きしめようと両手を広げて、まるで聖母マリアのような笑顔を鈴菜は見せつけてくる。
「めぐりさんを愛することに飽きたら、いつでも私のところ来てもいいですからね?」
「飽きることねぇよ、絶対」
そこだけは断言できる。
否、断言しなくてはならない。
「俺にとって、愛してる言う気持ちは相手をちゃんと幸せにすると言う覚悟の意味でもあるんだ」
「あらぁー、兄様、本当真面目ですわ、私と結婚しませんか?」
「どうしてそうなるんだ!」
俺が少し怒っても、鈴奈は平然としていた。
むしろいつも以上に平常運転だった。
めぐりは俺の袖をちょこんと掴んでくる。
「鈴奈ちゃんは本当に歩夢君のことが好きだね」
鈴奈はぱぁーとした笑顔を見せる。
「でしたら、めぐり姉様、正室はお譲りいたしますので、私が兄様の側室になりますから仲良くしましょ?」
鈴奈がめぐりにそう囁いた。
「私は歩夢くんがいいならいいけど」
「めぐりはいいのかよっ!」
「愛人でもいいんですよ?」
「鈴奈ちゃん、端ないよ!」
めぐりの顔は真っ赤だ。
この手の話題は純情なめぐりは得意とはしていない。
この場に美咲ちゃんがいないのが悔やまれる。
「めぐり否定してくれ、なんかハーレムを許可されてもなんか微妙に嬉しくないんだ」
「うふふ、そこは兄様の良心にお任せします」
鈴奈はくすくすと笑う。
しかし、しばらくすると、急に鈴奈は真顔になった。
少なくとも数十秒は黙っていた鈴奈は、ふっと目を伏せた。
「私の敗因はシンプルです」
鈴奈は流石にそう告げる。
めぐりもごくりと息を呑んで、固唾を見守っている。
「兄様にとって魅力的な女性であることはできて、恋人になることもできて、おまけに最高の妹になることもできます。けれど」
鈴奈はいったん言葉を区切った。
「兄様が作りたい家庭のママになること私はが決してできないんです」
鈴奈は普段あまり見せないような伏目を見せる。
その後、本人なりの100点満点の作り笑いをしてきた。
その笑顔は、まるで自分でも手放したくない気持ちを、そっと誰にも気づかれないように握り潰しているようだった。
「兄様の妻としてイチャラブしていくのも魅力的だったんですけどねぇー」
なんだか切なく感じる。
鈴奈が俺のことが大好きなのは知っていたから余計に切ない。
「なんかイメージがしっくりこないんです、兄様がバブみを感じて私におぎゃってくるイメージから永遠と湧いてきますけど」
鈴奈は淡々とそう告げた。
ぶれないな、こいつ。
「私はどうやら正室ではなく、側室という形が1番ふさわしいようですね」
鈴奈は納得したように笑った。
それはそれでどうなんだ。
「私の思う理想の恋人同士にはなれませんね」
鈴奈なりに悲しんでるのは本当のようだ。
「あーあ、兄様以外のあらゆる男性が私にバブみを感じて、おぎゃってくる領域にまで到達はしたんだけどなぁ」
鈴奈が切なそうに笑う。
「人類バブらせ計画は人類にとって有用なものだから続けますけど、兄様の望む幸せの家庭のママになれるのはめぐりさんだけですからこれからも精進なさいませ」
めぐりに鈴奈はウィンクをした。
「では、私はこれにて失礼致します」
鈴奈は綺麗なお辞儀をすると、美しい所作で颯爽と立ち去った。
まさに立つ鳥跡を濁さずである。
鈴奈の髪から漂う香水の匂いがなぜか俺の鼻を突き刺した。
なんだか悪いことをしたなぁと改めて思う。
「鈴奈を可愛がってくれ、あれでも相当悲しんでるだと思う」
気がついたら、めぐりにまた甘えてしまった。
「任せて、あとね」
めぐりはほんわかとした安心できる笑顔を見せてくる。
「好きだよ、歩夢くん」
めぐりは俺の目をまっすぐ力強く見つめている。
とても自信に満ちた声でもある。
「俺も好きだよ、めぐり」
俺も返事する。
すると、めぐりちゃんが嬉しそうにうなづいた。
「今日から鈴奈ちゃんは私の妹だよ、歩夢くんがいいなら私が鈴奈ちゃんのお姉ちゃんにもなるよ」
「冗談やめてくれ」
「ふふっ、歩夢くん、なんだかんだ鈴奈ちゃんを本当に大切にしてるんだね」
めぐりはくすくすと笑う。
なんだか嬉しそうだ。
「鈴奈は鈴奈をお嫁さんとして愛してくれる男性と結婚してもらわないとだからな」
「シスコンなんだね」
めぐりはにひぃーと笑う。
「鈴奈は魅力的な女性でもあるんだぞ? シスコンで結構だ、そもそもシスコン以外の言葉が嘘すぎるからな」
「本当仲良いんだね」
めぐりは慈愛に満ちた表情を見せる。
「だから、改めて鈴奈を頼むわ」
「お姉ちゃんに任せて」
そんなめぐりは俺にとって鈴奈のお姉ちゃんだけではなく、鈴奈のママにも見えた。
また、これからめぐりが恋人として俺と過ごしてくれるんだなぁともうれしくなるのだった。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
めぐりちゃんがついに鈴奈ちゃんに勝ちましたという回です。
さらにめぐりちゃんと歩夢君は恋人にもなりました。
いかがでしょうか?
さてさて、
もし、
めぐりちゃんかっこいい、可愛い
鈴奈ちゃんも可愛いよ
二人ともおめでとう
と思ってくださいましたら、
♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。
レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。
次回はめぐりちゃんと歩夢君がいちゃいちゃする話です。
公開日は5月21日6時頃です。
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