第6話 第1次バブみ対戦 side美咲
めぐり先輩は、すごい人だ。
成績優秀。品行方正。
誰に対しても優しく、愛想もいい。
しかも、歩夢先輩の年上の幼馴染。
最強だ。
この勝負が私に部が悪すぎるのはもちろん知っています。
歩夢先輩とめぐり先輩が、相思相愛なのも知っている。
あの2人を見ていれば、誰だってそう思うだろう。 だけどそれは、私の本気の恋を諦める理由にならない。
私には、めぐり先輩より優れているものが、ひとつだけある。
それは、胸の大きさ。
笑ってしまうくらい、どうでもいい差だ。
でも、私にとっては、そこしかなかった。
それが、私の勝てるところだった。
だから、私は決めた。
私だけの武器を磨こうと。
バブみ。
私が突き詰めていった結果、私が見つけためぐり先輩に勝てる戦略だった。
我ながらバカだなぁと思ったけど、バブみに関連するアニメはすべて観た。
キャラ分析もした。
演出手法も研究した。
バブみに必要なのは、年下であること。
これもめぐり先輩に勝てるもう一つの武器だ。
何よりも大事なことは無条件の愛だ。
やがて、ひとつの答えに辿り着いた。
歩夢先輩には、バブみを感じて、おぎゃってもらわなければならない。
これは、恋愛とかそういう話ではない。
歩夢先輩がこれからの人生を幸せに生きるために、必要な行為だ。
あるアニメを観て、私は確信した。
私は、歩夢先輩の母親になれたかもしれない存在だと。
歩夢先輩は、愛され方を知らない。
叱られ方も、褒められ方も、優しくされることも、知らない。
その隙間に、私は入れる。
めぐり先輩にはできないことが、私にはできる。 歩夢先輩にはバブみを感じておぎゃってもやうことは絶対に必要なことです。
ここなら勝てる。
私ならおぎゃらせられる。
なぜですかって。
歩夢先輩はマゾヒストですよ。
自分のダメなところを見て欲しい。
そのままの自分、1番弱いところ含めて愛して欲しい。
そんな思いを必死に隠しながら強がっているのが歩夢先輩です。
年下に屈服させられたいって願望をお持ちなことぐらい容易に推察できます。
私の勘です。
歩夢先輩のエロ本は可愛い系のお姉さんものしかないですが、一冊だけロリ巨乳年下後輩ものがとても丁寧に保存されていました。
あれが間違いない証拠です。
どう見てもこれからおぎゃりそうな歩夢先輩を私が好きになったきっかけは些細なものです。
私を颯爽と助けてくれたんです。
そのあと、怖かったとポツリとつぶやいんたんです。
私には泣きそうにすら見えたんです。
先輩の筋肉、目つきの鋭さ、警察を呼ぶぞという迫力、全てが完璧だったのにも関わらずです。
無理をしているのに人の役に立たなければという必死に頑張ってる姿が愛おしくなったんです。
それから、気がついたら歩夢先輩の姿を追っかけていました。
ある時、これが恋と知りました。
それと同時に歩夢先輩にはめぐり先輩がいることと知りました。
しかし、これは失恋ではありません。
まだ2人は付き合ってはいないのです。
※
「歩夢くんを甘やかすのは私だよっ!」
教室に声が響いた。
めぐり先輩の目が、本気だった。
普段のふんわりとした雰囲気は少しだけ消えて、何かを守ろうとする強い気持ちだけがそこにあった。
「めぐり先輩は、バブみを満たすことはできないですよねっ!」
私もそこは譲る気はない。
「どうじょ、歩夢くん」
めぐり先輩は涙目でうるうるとしていた。
可愛い人だ。
でも、情けはしない。
ここは攻め時だ。
「めぐりさんには歩夢先輩をあげませんよ、ここだけは譲りません」
私の気持ちはめらめらと燃えていた。
「ママって、子供のために戦うよね? 私、美咲ちゃんには絶対負けないよ!」
めぐり先輩の声には、わずかに震えが混じっていた。
ちゃんと私の目をじっと見つめていた。
「望むところです、めぐり先輩、では」
その瞬間、私は用意していたものを取り出す。
「歩夢先輩はこれをかぶってください」
私が差し出したのは、小さなニット帽だった。
ふわふわで、くまの耳がついている。赤ちゃん用のもの。
「これ、俺が?」
「もちろんです」
私は先輩に尋ねられたので、しっくり答える。
歩夢先輩に抵抗する余地があるわけでもなく、言われるがまま、それが頭に乗せられた。
『可愛い!』
めぐり先輩と私の声がはもった。
なに胸が高鳴るこの感じ。
私が歩夢先輩にバブみを感じている。
もっと甘やかしたい。
「ごめん、恥ずかしすぎるから取るわ」
歩夢先輩はあっさりと赤ちゃん用のニット帽を外してしまう。
私はほんの少し、残念そうに「……あー」と漏らした。
横でめぐり先輩は、「似合ってたのに」と少し口を尖らせた。
歩夢先輩は、深くため息をつく。
「この戦いの終わりがなんなのかが全く見えないんだけど?」
歩夢先輩は少し疲れたような顔を見せる。
「私たちが満足するまでだよ」
「美咲ちゃん、私はそんなこと考えてないよっ!」
めぐり先輩はふるふると首を横に振る。
歩夢先輩が不思議そうに見てきた。
「どうしてもバブみのそこまでこだわるんだ?」
歩夢先輩はその透き通った目で奥まで見つめてくる。
「それは………」
先輩が大好きだからです。
それから私の考える母性が歩夢先輩に必要だったりする。
もしかしたら授乳もいるのかも。
その場にそぐわない変なことを考えると顔が赤くなってしまった。
「先輩のエッチ!」
心の思いをそのままぶつけてしまった。
「えっ? 他の」
歩夢先輩は目を白黒させた。
私は歩夢先輩が好きすぎて時々変になっちゃいます。
でも、ちょっとは私の乙女心を察してほしいと思っちゃう。
私は恋してからそんな面倒くさい面もあるんだなぁと新しい自分も学ぶこともできている。
おかげさまで以前の自分より自分が好きになり、恋する自分に対しても恋をできるようになったなぁというちょっとした成長を感じるようになる私だった。
◆◆◆あとがき、お礼、お願い◆◆◆
ここまでお読みいただきありがとうございます。
美咲ちゃんのお話でした
もし、
美咲ちゃん可愛すぎるし、いい子だなぁ
この話よかったです
美咲ちゃんけなげだなぁ
と思ってくださいましたら、
♡、☆☆☆とフォローを何卒お願いいたします。
小宮美咲ちゃんのイラストです
https://kakuyomu.jp/users/maruoyusaku/news/16818622174281510965
レビューや応援コメントを書いてくださったらできるだけすぐ読みますし、返信も速やかに致します。
次回は同じ場面を今度はめぐりちゃん視点で描きます。美咲ちゃんに対して、めぐりちゃんがどう思っているか明らかになります
公開日は5月4日6時頃です。
お楽しみに!
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