第8話 魚の旅

月光の織り上げた銀布の

流れる川を魚は泳ぐ

腹に力を込め

ただひたすらに鰭を動かして


時たま隣に仲間も泳いだが

彼らの旅は孤独なので

すぐに別れて影ひとつ

ただひたすらに前進する


躊躇いも迷いもない

鱗を光らせ勇ましく

星鳴く川の底を行く


それは命の旅路

尊き旅路

気高き旅路

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