第7話 そんな世の中

林檎の果実を食べまして

芯は地面に棄てました

なんとはなしに哀しくなって

天に祈りを捧げます


今日一日の値段はおいくらですか

私はこの侘しいコインで買いました

「世の中そんなものでしょう」

埃だらけの街中ですもの


国境線に立って空を見上げれば

飛行機がゆうゆう飛んでいきます

きっとあの夏の日もそうだったんでしょう


昔兵士が掘った塹壕は

広い大地の横っ腹に埋められもしないまま

今でも残っているのです

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