第12話
「これからどうしたもんかな………」
俺はあの後、自室に入ってこれからのことについて考えていた。
「最初からおかしいとは思ってたんだ。俺の部屋用じゃない空き部屋があったことに気づいていれば………」
最初は、一人しか住まないのにちょっと広いかもな~、と思っていたのに……
◇
いつのまにか寝ていてしまったらしい。
眠い瞼をこすり、リビングへと足を運ぶ。
「どうしたの?寝てた?」
沙希姉はずいぶん前からリビングで休んでいたようだ。おまけにお菓子まで……
ていうか。それ、俺が食べようとしてたやつじゃね!?誰に見つかるものでもないけど隠しておいたはずなのに!!
「圭ちゃんは昔から変わらないね~。お菓子はいつも食器入れの奥に隠してたでしょ?バレバレよ」
「え、え、何でそれを知ってるの!?絶対ばれてないと思ってたのに!!というか勝手に食べるなし」
「私は自由に生きる女だから」
「アメリカで銅像にされちまえ」
「ヤだな~~。全世界に私の美しさが公開されちゃうじゃん」
「一人でやっとけ」
すみません皆さん、こちらが本当の霧山沙希という人物なんです。
学校ではキャリアウーマンみたいなのに………。ちょっとギャップがありすぎちゃうね。何にも求めてないけどね!!
ふと時計を確認すると、時刻は午後7時を過ぎていた。
「そろそろ夕飯つくるから、準備してくれないかな?」
「やったー!久しぶりの人が作る飯だ!!」
「垣間見える闇がなんかやだな。」
喜びの舞(阿波踊りっぽい)を踊り始めた沙希姉を尻目にすぐさま料理の準備を始めるのだった。
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