第8話
「どういうことなの、どういうことなの?なんで抱き合ってたの?ねぇなんでなんで?」
「落ち着けって。まずはゆすんのをやめてくれ。というかホントに酔ってきたんだけど…」
「あ、ごめん」
そして未夏の手が離された。
いや、ガチの修羅場っぽくなってんのなんで、と結構真面目に考えた。
そんなことより早く事情を説明しないと俺の身が持たない。
「未夏。この人は引っ越す前の家の隣の人だったんだ。昔はむっちゃ仲良くていろいろ遊んでただけだから」
今度は話を聞き、不満そうに頷く
「怪しいわね?・・・でもまあ今回は許してあげるわ・・・まだ大丈夫そうだし・・・」
後半、聞こえなかったけど何とか目から闇が消えて良かった。
いや昔な、何にも伝えず家族で旅行言ったときなんかむちゃくちゃ質問攻めしてきたことがあったから、その時の目に似てて結構怖い。
「もうさっさと帰ろうよ」
「分かったって。それでは霧山先生もう帰らせていただきます。」
「もう〜。昔通りでいいじゃな~い」
「いえ、今は教師と生徒という立場ですので」
「さっきまでふざけてた生徒とは大違いね」
そこは分別をしっかりと付けておく。じゃないともしも誰かに知られたときにどちらも危ない立場になるかもだし。
「私はいいのよ。勘違いされても」
舌なめずりをする姿は怪しい魅力があり、視線が彼女にに吸い寄せられてしまう。
「ッ。早く帰りましょ!!」
「あ、あぁ。って痛い痛い。腕引っ張んなって」
そして教室を後にする二人だった。
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