第5話



 side 未夏




「ねぇねえ、甘夏さん。どこから来たの?」


「その髪とってもきれいね。何か特別な手入れしているの?」


「あ、甘夏さん放課後にクラスの皆でカラオケ行こうって思っているんだけど・・・良かったら来てくれない?」


「えっと…」




一通り入学式や諸連絡が終わった後、私に話しかけてくる人がとても多く感じる。でも今は、圭に話しかけに行きたいのに…




と考え、


「ちょっとごめんなさいね。」



そう言って人だかりから抜けて、すぐさまのところへ行く。




「圭はカラオケに行くの?」


「いや、俺は先生に呼び出されたから行けないな」


ため息混じりに言った。




そっか、そういや先生にそんな事も言われてたっけ





「それじゃしょうがないね。じゃ私も待っててあげるよ」


「いや結構遅くなるかもだし待たせるのは悪いって」


「いいえ、待つわ。というか前まで二人で帰っていたでしょ?」





上目遣いでおねだりをしてみると




「分かったよ」


圭は渋々了承した。




地元の学校じゃなくて少し遠い高校にした理由も問い詰めなきゃね。全く。圭がどの学校に行くのかわざわざ調べたっていうのに、私から絶対に逃がしてやらないわ。ふふふふふふ。

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