第3話
突然だがこいつについて説明しよう、こいつの見た目はそれそれは美しいため、中学のころからファンクラブまであった。さらには成績優秀、品行方正、運動神経抜群で人間としてもさらに生徒としても人望が厚かった。周りからは完璧主義者と崇められかつてカーストの頂点に君臨していた女だ。そんな彼女は学校内の生徒全員が、女神様と認めるほどだった。
一見、非の打ちどころがなく見えるか?でも俺だけは知っている・・・
こいつは全く家事ができない!!!
俗にいう残念系女子だ。そんなわけない!って同じ中学校だったやつはそう思ってるよ・・・でもそんなことはない。俺だって中学生になって初めて知ったもん・・・
あれは初めて未夏の家に遊びに行ったときだった。
部屋に案内され、まだまだ少年だったが故に無邪気だった俺でもわかった。十分すぎる散らかり具合だった。いやでも目に焼き付いてしまった。
それ以来、残念美少女と秘かに呼んでいる。
料理の方もポンコツで、普通の食材を使って料理しているのに絶対にまずくなる。
はっきり言うと異常なほど。まず過ぎて一度天に召されかけた・・・後遺症なのか味覚音痴にもなってしまった。許せぬ。
まあそんなわけで共働きのため家を空けることが多かった未夏の両親に代わって家事を手伝ってたわけだ。最近は受験や入学準備やなんだで言えにまで行く機会は少なくなったから大丈夫なのだろうか、と心配の気持ちを抱いていると
「っていうか何で最近家に来てくれないの?お願い助けてよ」
うるうるとした瞳でお願いをする。
普通の人だったらすぐに了承してしまうが、俺は知っている。
「いやお前、最近家政婦を雇ったって言ってただろ」
「ちっ、ばれたか」
「なんで舌打ちが聞こえてきたのかな~?喧嘩をお望みなのカナ☆」
普段は淑女のような振る舞いするくせに、俺と話す時だけポンコツ化する。見た目はいいのに中身がこれだからな・・・やっぱ残念美少女だな・・・
「なんか失礼なこと考えてない?」
「な訳ないだろ。というかHR始まるぞ」
「そうだったそうだった。じゃまた後でねー」
そうして元の席に戻っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます