第10話
その軽快な声と同時に、背後から現れた赤に近い鮮やかな茶髪をツンツン立てている男が輪に加わった。
「月初めに席替えしてな、雅がズルして自分の周り空けさせたんよ」
「んだよ、何もしてねぇっての」
「くじ引きやのに、この辺引いた人みーんな睨み付けて退かした癖に」
「そいつらが勝手に席変えただけだろ」
それに机余ってんだから何処でも良いだろ空席なんて、言って城咲は面倒臭そうに溜め息を吐く。てかなんで席余らせてんのこのクラス。無駄なら最初から退かしといたら良いじゃんね、というツッコミが出来る空気でもないので取り敢えず新参者は黙っておく。
「幾ら人嫌いやからってなァ…そんなんやから俺しか友達おれへんのやで?」
「お前が友達だったとは初耳だな」
「んなっ!?」
何やと雅ィ!!と、赤頭の彼は尚もテンション高く、くるくると表情を変える。
「まァええわ…それより朝からえらい目立ってるやん」
「目立ってんのは俺じゃねぇ」
そらそーや、と、男は濃い茶色の瞳を此方に向けた。
「瑠綺ちゃんって言うたな?はじめましてー俺は
よろしゅう♪と、若葉はニカ、と人懐っこい笑顔を見せる。
「でもなんで雅と一緒に来たん?」
「同室なんだよ」
「ナルホド、瑠綺ちゃんもそりゃ災難や」
どういう意味だよ、と雅が若葉を睨む。
『あのさー若葉?俺、これでも一応男だから…さ、瑠綺で良いよ』
てか寧ろそうしてくれ。只でさえこの変態に女みたいだって言われて襲われて…その上此処でちゃん付けなんかが定着してみろ、他の人にまで変な影響を与えかねない。
「ああ!スマンなァー自分可愛いからつい。じゃあそう呼ばさしてもら………おー思たけどやっぱやめとくわあ~」
え!?早!訂正はやっ!
「ちゃん付けのが似おてるし。あと俺もまだ命惜しいしなー?あ、俺のことは紫乃でええから♪」
ほなまたな瑠綺ちゃん、と言いたいだけ言うと紫乃は自分の席に行ってしまった。
なんだ?命が惜しい?龍兄曰く、この学校って命の危険まではないんじゃなかったか?
紫乃の台詞の意味が理解できなかったので、後ろにいた城咲に目線で説明を求める。が、城咲は何も言わずに笑みを浮かべるだけなので全く分からない。
……もう良いや。
そうこうしているうちに担任の先生が来て、俺は転校生だと適当に紹介された。てか適当過ぎるでしょ、よく考えたら転校生って先生に連れられて教室入るもんだよね?その工程処かいろいろすっ飛ばしてクラスメイトに迎えられて、その後も午前の授業は何事もなく過ぎていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます