第4話 転生4
奇妙な光の原因を調査しに行くことになったその夜、村長は精鋭部隊を率いて村の外れに向かう準備を整えていた。
ルカもその一行に加わることを願い出たが、村長はしばらく考え込んだ末、ようやく頷いた。
「よし、お前も来い。ただし、我々の指示に従うこと。危険が迫ったらすぐに逃げるんだ。無駄な犠牲は出すな」
ルカは村長の言葉に深く頷き、緊張しながらも決意を固めた。
リリアも同行することになり、彼女はルカに近づき、小さな短剣を手渡した。
「これを持っていきなさい。魔物が襲ってきた時のために」
ルカはその短剣を受け取り、重みを感じながらも感謝の意を表した。
「ありがとう、リリアさん。気をつけるよ」
一行は村を出発し、森の中を進んでいった。
月明かりが薄く差し込む中、足元は暗く、不気味な静けさが周囲を包んでいた。
村長は先頭に立ち、慎重に進むよう皆に指示を出した。
「光はあの辺りから見えたはずだ。気をつけて進め」
森の中を進むことしばらく、突然、前方にぼんやりとした光が見え始めた。それは幽霊のような青白い光で、地面から湧き上がるように揺らめいていた。
「あれだ……アビスの光だ」
村長の声が低く響いた。
ルカはその光を見つめ、胸が高鳴るのを感じた。これがアビスか……。
しかし、その光は美しいと同時に、どこか不気味で、見ているだけで背筋が寒くなるような感覚があった。
「みんな、警戒しろ。魔物が近くにいるかもしれない」
村長の言葉に、一行は武器を手に取り、周囲を見渡した。
その瞬間、森の奥から不気味なうなり声が聞こえ、影が蠢き始めた。
「来るぞ!」
村長の叫びと同時に、巨大な魔物が闇の中から現れた。
それは狼のような姿をしているが、体は黒く、目は赤く光っていた。牙を剥き出しにし、一行に向かって突進してくる。
「散れ!攻撃を避けろ!」
村長の指示に従い、一行は散開した。
ルカもリリアと共に茂みに身を隠し、息を殺した。魔物は村長たちに向かって猛攻を仕掛け、剣と牙がぶつかり合う音が森に響き渡った。
「ルカ、ここにいて。動かないで」
リリアがそう言うと、彼女も武器を手に取り、魔物との戦いに加わっていった。ルカはその様子を見守りながら、自分に何ができるかを必死に考えた。しかし、無力な自分には何もできない……。そんな無力感が胸を締め付けた。
戦いは激しさを増し、村長たちは必死に戦っていたが、魔物は一匹であるが動きが早く押され始めていた。
その時、ルカはふと地面に転がっている石に目を留めた。
『何かできるかもしれない……。』
ルカは石を拾い、魔物に向かって投げつけた。石は魔物の頭に直撃し、一瞬の隙を作った。その隙を突いて、村長が剣を振り下ろし、魔物に致命傷を作っていく。
「よくやった!」
村長がルカに向かって叫んだ。その言葉に勇気づけられ、ルカは次々と石を投げつけ、魔物の動きを鈍らせた。村長たちはその隙に魔物を次々と斬りつけ、ようやく戦いが終わった。
「みんな、無事か?」
村長が皆の安否を確認すると、一行は疲れながらも無事だった。
ルカも胸を撫で下ろし、ほっとした。
「あの光……アビスはどうなった?」
リリアが村長に尋ねた。村長は光の方向を見つめ、深くため息をついた。
「やはりアビスだったか……。あの光はアビスの入り口だ。魔物がここから湧き出てくる」
ルカはその言葉を聞き、アビスの恐ろしさを改めて実感した。しかし、村長はそれ以上進むことを諦めたようだった。
「今の我々では、アビスの中に入ることはできない。魔物が強すぎる。ここで引き返そう」
一行は村長の指示に従い、村に戻ることにした。帰り際に村長がアビスに向かって何かを撒いているのが見えた。
まじないか何かだろう。
あのまま放置して、次から次へと魔物がでてきても厄介だ。そう考えながらの帰り道、ルカはリリアに尋ねた。
「アビスの中には、何があるんだろう……」
「ここの誰も知らないの。入った人は二度と戻ってこないから」
リリアの言葉に、ルカは深く考え込んだ。アビスはこの世界の謎なのだろう。みんなの表情や言葉一つ聞くに脅威と思える。
しかし、それを解明することができれば、村の人たちを守ることができるかもしれない。
村に戻ると、村長たちはすぐに会議を始めた。ルカはその場に加わることはできず、部屋に通され、そのまま寝ることとなった。
しかし、彼の頭の中はアビスのことでいっぱいだった
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