自作の防犯グッズ

新しい防犯グッズを思いついた俺は、試作品を作ってみた。アイデアはシンプルだ。バナナの皮のように滑りやすい素材を使い、踏んだ瞬間に滑って転んだ相手を捕まえる仕掛けを作ることだった。地面に散らばっているその「皮」を踏むと、上からネットが降りてきて、相手をがっちり捕まえるというもの。


「これなら家の防犯も万全だ」と、試作品を家のいくつかの場所に設置した。自分の部屋、玄関、キッチン…あちこちに、バナナの皮のようなものが隠れていることにちょっと興奮していた。


その日も、いつものように夜遅く、疲れて帰宅した。頭は仕事のことでいっぱいだったけど、家に帰ればベッドでぐっすり眠れると思った。少し遅くなったけど、寝室へ向かって歩き出す。


暗い部屋の中、照明もつけずに歩いていた俺は、何かを踏んだ。「あれ?」と足元を確認しようとした瞬間、もう遅かった。


スリッパがバナナの皮のように滑り、体が前のめりに転がった。瞬間、床がふわっと感じた。振り返ると、天井から何かが降りてきた――その瞬間、俺の全身を捕えるようにネットが降りてきて、無慈悲に俺を捕らえた。


「うわっ!」と叫びながらも、体を動かすことができない。自分が仕掛けた防犯グッズで、まさか自分が捕まるとは。


もがきながらネットから出ようとするが、滑り止めのようなものが床に張り巡らされているため、どうにも動けない。試作品の強力さに感心する暇もなく、ただただ自分がこんな仕掛けにかかってしまったことを悔やんだ。


ようやくネットを引き剥がすと、気がつくと床に倒れたままだった。ベッドに行きたかったのに、逆に疲れ切った体を無理に起こして、こんなことになった。


試作品は確かに強力だった――でも、次回からはもう少し慎重に試してみようと思った。自分が罠にかかってしまうなんて、まったく想像もしなかった。

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