第3話

「母さんは元気か?どうだ?

身体は壊してないか?」

「そうだね、相変わらず無理をしているけど

なんとか大丈夫そうだよ」

「そうか、やはり無理をしているのか。

私も元気にしていると、

ぜひ伝えておいてほしい」

少し空虚さを覚える。

そんな父親の姿は見たことがなかったからだ。

私はこんな質問を投げかけた。

「なあ、親父。天国ってどんなとこなんだよ」

親父はビールを口にしたあとこう言った。

「なんつーのかな、思ったものとは違うよ。

あれだ。大きな大きな広場にいるような」

親父がいる場所は

天国でも地獄でも無い場所なのか?

「それにしてもあんな死に方するとは思わなかったぜ」親父が笑いながらいう。

親父はまるで生きているかのように笑った。

「三途の川とかはなかった、でもな、お前らに会えなくて寂しい場所だ」

「やっぱりそうだったのか」

「ああ、寂しいよ」

私はその時、あることを伝えようと思った。

「見つかったよ、そういえば」

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