『星空のLINE』
ソコニ
第1話「最後の七夕」
七月七日の夜空を見上げて、私は君からのメッセージを読んだ。
「またね、大好き」
その言葉に胸が締め付けられる。来年の七夕には、君はもうこの世にいない。末期がんで余命半年。そう宣告されてから、君は毎日LINEで星空の写真を送ってくれた。
「織姫と彦星みたいだね、私たち。一年に一度しか会えないけど、ずっと想い合ってる」
最初はその言葉に涙が止まらなかった。でも今は違う。君が教えてくれたから。死は別れじゃないって。
「星になるから、毎年七夕の夜に会いに来てね。そしたらまた会えるよ」
君の言葉を思い出しながら、短冊に願い事を書く。
「来年も、その次も、その次も...ずっと君に会えますように」
短冊が風に揺れる。まるで君が手を振っているみたい。空には天の川が輝いていた。
そうだね。これは「さよなら」じゃない。
「またね」なんだ。
だって私たち、星空の約束で結ばれているから。
君が星になった後も、七夕の夜には必ず会える。その時まで、「大好き」という気持ちは変わらない。
だから最後にもう一度。
「またね、大好き」
空に輝く星たちが、永遠の愛を見守っていた。
『星空のLINE』 ソコニ @mi33x
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