第14話 決闘申告

 こちらを睨みつけてくるラインフォルト。この様子だと何を言っても通じなさそうな気がするが、一応弁明をしておく。


「別にラインフォルトさん、一人を指してるわけじゃなくて同じような人に絡まれる


 のが大変めんどくさいなー…と。」


「そのくくり方だと、めんどくさい人間に私も含まれているだろう。気づかないとで


 も思ったのか?」


「いやぁ、まぁ…そうですねぇ…」


「そこで否定しないところが、私を侮辱している何よりの証拠ではないか!」


ラインフォルトさん、怒っているようで意外と冷静じゃないか。逆に冷静に話を聞かれているせいでますますヒートアップしてる気がしなくもないが…。どうしたものかと、目線だけでリリィ会長に助けを求めるが知らん顔をされた。1割くらいは話を持ってきた人に責任があるのでは?と思いつつ、さらに弁明を試みるがあまり上手くいかずにドンドンと怒りが漏れ出ているが感じられる。

 余計焦ってしまった俺は、ここで決定的な地雷を踏みぬいてしまった。


「たかだか生徒会ですし、必要以上に手間を食ってしまうくらいなら入らなくてもい


 いと判断したわけでして~…。」


生徒会?私だけではなく、生徒会まで侮辱するか…。今キサマは私


 にとって最も否定してはならないものを否定した。私はもうタダでは許せそうにな


 い。」


「…じゃあ何を、」


「私、シュルト・ラインフォルトは貴様に決闘を申し込む!その体に、軽率にもの


 を軽んじることの重みを教えてやろう。」


急展開過ぎて、話についていけない。なぜそんなにも高貴な身分の方は血気盛んなのだろうか。しかし、今の俺は運がいい。ここには決闘の申し込みを受け付けている生徒会の長がいることだ。何とか穏便に済ませてくれるだろう。

 そんな期待を込めて、会長を見つめると「まかせてくれ」と言わんばかりの顔で頷いてくれる。良かったこれで戦わずに済みそう…


「その決闘の申請、生徒会長リリィ・ウィンガーデンが受理する。ただし、直ちに


 行うと両者の力の差的にも不平等であるため7日間の準備期間を設ける。よろし


 いな?」


よろしくないよ!?と叫びたいところをグッと我慢する。こちらに有利な条件なのだから、ここでゴネて隙をなくしてしまっては元も子もない。静かにしつつ、このことは後で問い詰めようと固く心に誓う。その間に、ラインフォルトは幾度か会長とやり取りをした後、こちらをひと睨みして教室を出て行った。


「あと準備期間の間は、カルマが生徒会役員としておく。いろいろと説明しておくこ


 とがあるので、後で徒会室に立ち寄ってくれ。」


「…マジですか、わかりました。この後、すぐ行きます。」


「うん、生徒会室で待っているぞ。あ、ちなみに場所は生徒棟の3階にあるから。


 よろしく頼むぞー。」


そういって会長も立ち去って行った。7日間の準備期間のはずなのに、俺に生徒会の仕事させるって…あの人は鬼か悪魔だろう。ため息をつきたくなる気持ちをこらえて教室を出ると、階段のほうに足を向けた。

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