4 最終回
「夏海くん大丈夫?なにか悩んでる?」
このタイミングで言うしかないか。そう俺は覚悟を決めた。
「実は話さないといけないことがあるんだ」
そうして兎夢と俺が恋人関係にあったこと、事故にあって記憶喪失になってしまっていることなど洗いざらい話した。
彼の話を聞いて私は思い出せなかったことにひどく後悔した。
「そうだったんだ」
この言葉を放つのが精一杯だった。
「でもごめんなさい。私は夏海くんと元のような関係には戻れないです。記憶を失ってしまったけどあなたの話を聞く限りすごく楽しかったんだと思います。今までありがとう。」
夏海くんの事を思うとこれが正しかったんだと思う。
私/俺たちの関係は幕を閉じた。
数年後、俺は新たな道をこの人と歩いている。毎日が楽しく過去の恋愛なんて吹っ切れるようなそんな日々だ。もちろん昔も楽しかったが、今隣に立っているのは紛れもなく俺がこよなく愛した…だ。
僕がこよなく愛した人 鳴宮 雨 @same_07
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