第30話 勝ち?

(レオ視点)


「カイ!」


レオの声が冷たい庭に響いた。


彼は魔法の本を手に、燃え盛る炎を纏いながら現れた。


「《フレイムラッシュ》!」


レオは炎の奔流を生み出し、氷の庭に熱を取り戻した。


彼の炎が怪物の氷を溶かし、カイの凍りついた体に向かって熱を送り込んだ。


氷が徐々に溶け、カイの顔に血の気が戻り始めた。


「カイ、しっかりしろ!」


レオは彼の手を握り、強力な回復魔法を施した。


「……だれ?」


カイはゆっくりと目を開け、彼の目に涙が浮かんだ。


「ありがとう……僕、もうダメかと……」


「まだ終わってない。怪物を倒さないと、みんなを救えない。」


カイを立ち上がらせ、レオは怪物に向き直った。


「ここからは、俺たち二人で行くぞ。」


怪物は再び冷気を放ち、庭全体を凍らせようとしたが、レオの炎がそれを防いだ。


「《フレイムシールド》!」


炎のバリアが二人を包み、冷気を跳ね返した。


「カイ、今だ!」


「うん! 《ライトボルト》!」


光の矢が怪物の目に命中し、氷の鱗がひび割れた。


レオはさらに本を開き、新たな呪文を解放した。


「《ドラゴンズインフェルノ》!」


炎の龍が巻き起こり、怪物に襲いかかった。


龍の炎は氷を溶かし、怪物の体を包み込んだ。


怪物は最後の咆哮をあげ、氷の塊となって砕け散った。


氷の庭は次第に溶けていき、閉じ込められていた人々も解放されていった。


「やった……やっと終わった……」


カイは息を切らしながらも、安堵の笑みを浮かべた。


「レオ、本当にありがとう。」


「まだ安心するのは早いよ。影の正体はこれだけじゃない気がする。」


レオの手の中の魔法の本が、再び怪しく光を放ち、新たな危機の予兆を告げていた。


城を手に入れようとする怪物はまだ諦めていない。




なんか質問されそうなんですけど城の中では火が使えます。

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