▷文書4:私が参加した「批評企画」の思い出
はい、タイトルのとおりです。「例の人物」の話題が出ますので、見たくない方は飛ばしてください。もちろん、その人物に対する中傷などをするつもりは一切ありませんからね。現在の私が「その人物」についてどう思っているのかについては、本人の希望どおり伏せさせていただきます。文脈などから感じ取ってください。
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さて、私が『感想企画』を始めるに至った理由の続きです。じつは私自身が自作の改善に思い悩んでいたこともあり、「改善しないといけないが、どこの部分を改善すべきなのかわからない」と、日々頭を抱えておりました。コメントをくださる方もおられるのですが、基本的には「誉め」のコメントしかありませんからね。
そこから読み取れる内容といえば、「書かれてないことは〝悪い部分〟なんだろうな」といったことくらいです。たとえば、コメントのなかで「その1話だけを読めば書ける感想」ばかりを貰ったとします。そうした場合、ストーリーには一切の魅力がないということになりますね。このキャラが以前どうしていて、ここで伏線が回収されて――といったエピソードであるにもかかわらず、文章や場面構成、文字数などにしか触れられていない場合などが、特にわかりやすいのではないでしょうか。つまりは「おまえの作品は、読んで記憶するに値しない」と言われているようなものです。
こうした「善意の中の悪意」を汲み取って改善し続けてゆくのは「優しいやり方」に見えて、私自身にとっては精神的にかなりキツイものがありました。常に疑い続け、相手の言葉をそのまま受け取ることができなくなるわけですからね。こうしたやり方ではなく、「ズバッと」言ってほしい。そう感じていたときに、ある『激辛批評企画』に出会いました。
元々、その企画主さまは「批評企画」を常時開催されておられたのですが、この企画では「お題」に沿った新作を投稿し、その内容を激辛批評してもらえるという内容でして、まさに渡りに船といった具合で私も参加させていただきました。
正直なところ、『ミストリアンクエスト』の改善はしたいものの、この作品を酷評されることには耐えられませんからね。特にストーリーや設定・世界観は10年以上も練りあげてきたものですので、簡単に変えることはできません。したがって、私は『ミストリアンクエスト』と同列の世界観であり、まったく同様の記法の作品を持ち込んで、その企画主さまに評価していただきました。
結果は、最初は惨敗でした。特に私の癖であった〝ダッシュ記号〟を大量に使いすぎていたことや、基本的な文法を理解していなかったことから、「文章力」の評価が下から数えた方が早いレベルだったんですよね。その反面、私が自信を持っていた「物語」や「設定」といった部分は満点でしたので、それだけが支えとなりました。
それでも当初は本当に凹み、しばらく執筆が行なえなくなってしまうほどの状態となりました。特に当時の私は〝ダッシュ記号〟は自身のアイデンティティであるとも捉えていましたので、これを全否定されてしまったせいで、「幸崎の文章」が書けなくなってしまったのです。
しかし、その主催者さまは後にも助言をくださったり、謝りにこられたりまでされて、本当に私の文章の改善に全力を尽くしてくださいました。とてもありがたい反面、非常に申し訳なかったですね。いわば、私は「あとで文句を言う参加者」になっていたのですから。今現在、私自身が頭を悩ませている者です。
その恩義に報いる――というわけでもないのですが、再チャレンジとして別の作品で同企画に参加したところ、今度は文章力も含めて、すべて満点をいただくことができました。この時に執筆した作品は『ミストリアンクエスト』とまったく地続きの世界観とストーリー、設定であり、まさしく私の「すべて」を注ぎ込んだ作品でした。
これを執筆していた時の私は一種のトランス状態であり、あっという間に書きあげることができたんですよね。あれほど「何も書けない」と言っていたにもかかわらずです。私の最高傑作である世界観に、いただいた教えを自然と載せることができました。もちろん、いま読み返すと粗はありますが、その改善方法もわかります。まさに私自身のレベルアップを感じた瞬間でした。
特にレビュー内にて『世界観を生み出す天才』と評してくださった際には、涙が止まりませんでしたからね。これまで誉められたことなど一度もなかった私が初めて頂戴した、栄誉ともいうべきものでした。
実際のところ、私の作品よりも素晴らしいストーリーと世界観の作品は大量にあり、私がレビューを書かせていただいた作品の中にも存在しております。あまりにも素晴らしすぎて影響を受けてしまうために、1年以上も拝読に伺えていない作品もあります。決して読み止めたわけではありません。あまりにも眩しすぎて、いまの私には読むことができないのです。それらの作品は複数あるのですが、なぜか「水」に由来する単語が含まれているタイトルが多いですね。偶然であるとは思います。
話を戻しますが、残念ながらその企画主さまはカクヨムを去り、アカウントを消去されてしまわれました。それに伴い、私がいただいていた勲章ようなのレビューや、数々のコメント等も軒並み失われてしまいました。私を「天才」と評する証拠は一切なく、ただの「なんの実績もない底辺素人投稿者」へと逆戻りしてしまったというわけです。もともとは、私が縋りついていただけのことですので、最初から評価など無いもの同然ではあったのでしょう。
しかしながら、あの時に教わった経験だけは、すでに私のものとして生きております。いまでは、この文章こそが「幸崎の文章」です。
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さて、そんな企画主さまが去られたあとも、しばらくの間は「亡き恩人の思い出」に縋りついていたのですが――。じつは勘違いを起こしてしまった理由は、いくつかあります。ひとつは「その人物」に近しい方から、私の態度に対して、非常に好意的なコメントを頂戴したからなんですよね。新たなトラブルに発展してはいけませんので詳細は伏せますが、カクヨム内でも何度か会話を交わすことができました。
ここで私は「その人物」の理解者にでもなったつもりだったんでしょうね。その後も「亡き恩人の思い出」を持ち出しては、感謝の言葉を書き記していたわけです。なのですが、昨年末に、一時的にアカウントを復帰させた当の本人から「気持ち悪いのでやめろ」と、かなり強い言葉と長文で苦情を受けてしまうことになりました。
白状しますが、この時はかなりショックでして、書かれていた長文の最初の数行しか目に入れることができませんでした。とにかく「気持ち悪い」「おまえは頭がおかしい」「もう二度と話題に出すな」といった文言が目に飛び込み、それに対する回答しかできませんでしたね。
私は元々、メールや手紙といった、密封されたメッセージに対する恐怖症があります。学生時代に付き合っていた恋人から脅迫じみた命令文のようなメールが頻繁に送られてきたことや、反対に私のメールを数年にわたって無視され続けたこともあります。また、親や祖母から私の生活環境に対する苦言を手紙やメールで何度も送られつづけてきたことなども理由ですね。それ以外に届く書類といえば、請求書や督促状ばかりだというのもあります。「密封された言葉」を開くのが恐ろしいのです。それを開いて、見てしまうと、確実にいまの自分自身ではなくなる。そんな状態です。
おそらくは、昨年末のやりとりを目にされた方は相当数おられるのではないかと思われます。その中には、幸崎が的外れな回答をしていると感じられた方もいたのではないでしょうか。実際に、私は最初の数行か数文字しか見ずに返信していましたので、会話が噛み合っていなかったはずです。
それくらいに精神が弱く、強い言葉に対する恐怖心があります。だからこそ、批評・感想企画の常連であり、過去に攻撃的なコメントを書いていたユーザーは予めブロックしているのです。ひとつ対応を間違えれば爆発しかねない者たちですからね。しかもそういった者に限って「辛口」を要求し、こちらに対しても仕返しとばかりに辛口で殴り返してきます。私は殴りあいなど、一切求めていません。
何度も話が逸れて恐縮ですが、結果的に「この企画主さま」とは、完全に決別することとなりました。そして、その時のことが、私が企画を続ける理由にもなっております。この方は企画を始める切っ掛けであり、企画が揺らいだ原因であり、企画存続の理由でもあります。この企画主さまは常設開催していた自身の批評内で、大量の作品を待たせていたにもかかわらず、あっさりとアカウントを消去して「逃げて」しまわれましたからね。これは真剣に作品を良くしたいと、救いを求めていた参加者に対する裏切りです。それに多くの「読み専」も抱えておられ、コメントやフォロー数や★・レビューともに、高い評価を受けておりました。
ここで私がやりかけた企画を投げだしてしまうと、この方と同じ轍を踏んでしまう。それだけは避けなければならないと、決意を新たにした一件でもありました。
しかしながら、これらのやりとりは当時の最新の近況ノートで行なわれていたこともあり、多くのユーザーの目に入ることとなりました。本来の「この方」の性格であれば、ひっそりと過去のノートに書き込むかと思われたのですが、それをせずに最新のノートを利用したということは、よほど「この一件」を周囲に知らしめたかったのでしょう。私も頭に血がのぼってしまったこともあり、これらの出来事に対する文句を自身のエッセイに記したりもいたしました。――結果的に、最終的には運営側からお叱りを受けることとなり、それらの文書やノートは軒並み削除されています。
アカウントBANによって、私が書いたレビューやコメント、感想等が消えるような事態となれば、私が味わったものと同じ苦しみを受けるユーザーさまがおられるかもしれませんからね。こんな取るに足りない底辺投稿者からの言葉でも、もしかすると支えにしてくださっている方がおられるかもしれません。
そんな方を裏切ることのないよう、今後はトラブルに発展しそうな事態に対してはコメント等の積極的な削除を行ない、先んじてブロック等の処置を執らせていただきます。これまでは「良いことも悪いことも全部遺す」ことを信条としておりましたが、やはり不快な文字列を放置しておくと、後々のトラブルにつながりますからね。
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