第4話 The Long NaiL NuRsE

しばらくした後、リアムとノルトンは、廃墟のようになった病院の一室で静かに向かい合っていた。二人の顔には疲労と不安の色が濃く浮かび、空気は重く、緊張が漂っていた。

「寝るか?。一人だけ起きて番をして異常があったらもう片方を起こすんー」

遠くの方から男性の悲鳴が聞こえた。おそらくあのナースに襲われたのだろう。

「少し…見てみるか?。助けれるかもしない。」

ノルトンが考え込みながら言う。

「そうだな…覗くくらいの隙間ならすぐ閉めれるしそうしよう、」

ドアを指が入るか入らないか程度の幅で開け、目を大きく開けて全ての情報を見逃さないように視線を慎重に動かす。

そこに見えたのは倒れた男性とそれを食べ、筋肉が移動?してるような歪な動きをしながら体が変形していくナースの姿であった。

食事をし終えたのかナースが立ち上がり、こちらを見る。爪がとても長く延びていて、床までつく程あった。

「ニク、人間ニヒキ」

ナースは突然そう言い、いつの間にか俺のいる病室との距離を先程の半分ほどにしていた。

(ヤバい…。閉めないといけないのに…体が…!)

扉を閉めようとしない俺にしびれを切らしたノルトンが扉を勢いよく閉め、俺の肩に手を置き、言った。


「…あのナース、ただの看護師じゃないな。」

目を細め、壁を見つめながら続けた。「あんなに長い爪と俊敏さ、普通じゃ考えられない。」


リアムは頷きながら口を開いた。「ああ、まるで獣のような動きだった。あんなのが病院にいるなんて、何かおかしい。お前、あれがただの感染者だとは思えないだろ?」


ノルトンは少し黙って考え込み、そして答える。「感染者(仮)とはまた違う。あれは…人間の姿をしているが、明らかに異常だ。何かの実験の結果か、それとも…」


ノルトンは黙ってリアムを見つめた。考えたくはないが、可能性はあった。「考えたくないが、可能性はあるな。でも、今は生き延びることが最優先だ。あのナースから逃げる方法を考えないと。」


リアムは深いため息をつき、拳を握りしめた。「ああ、だが、あのスピードと力では、まともに戦うのは無理だ。隠れるか、罠を仕掛けるしかないかもしれない。」


ノルトンは少し考えてから、にやりと笑う。「罠か…。それなら、俺の得意分野だ。でも、今の状況だと材料が足りないな。何か使えそうなものはないか?」


リアムは辺りを見回しながら、目を細めた。「周囲を探してみよう。何か使えそうなものがあれば、罠を仕掛けてみる価値はある。」


二人は部屋を見渡し、できるだけ音を立てずに慎重に動きながら、使えそうな物を探し始めた。壊れた家具、使い古された道具、そして無駄になりそうなものすら目に入るが、どれもすぐに役立つものには見えなかった。


その間にも、ナースの化け物の存在が二人の心に重くのしかかっていた。どこかから現れるその音や気配が、彼らの息を飲ませる。だが、二人はそれを感じながらも、協力し合い、希望を持ちながら次の一手を考え続けた。

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