今、凄くキスしてぇ



「まぁ、落ちまくりですけどー」


「そっか」


「でもね、楽しいんだ」


「……」


「どうしたの?」


「ア、アリカが楽しいなら、俺も嬉しいんだけど」


「けど?」


「……今、凄くキスしてぇ」


「ばっ、馬鹿!」


「1回だけ!久し振りにこうやってアリカに会えたんだし!!」


「……っ」


「軽いやつでいいから!」


ダイがあまりにも一生懸命に説得するものだから、



「まぁ、一瞬なら……」


病院はもうすぐそこなのに小さく頷いてしまう。


ダイは周りを見渡してから私の頬に右手を置いて、ほんの一瞬だけ唇が触れる位の軽いキス落とした。


こんな道端で、しかもいい年して馬鹿みたいだと思いながらも、私の頬は柄にもなく熱を持っていってしまう。


そんな私にダイは手を差し出してくるから。



「来年もこうやって一緒に歩こうね」


「ま、まぁ……アリカがそう言うなら」


「ダイ、ニヤけ過ぎ……」


「うるせーよ、黙れっ!」


私逹は子供のように笑って互いの手を取った。


楽しい事ばかりだけじゃなくて、上手くいかない事もある。


夜空が見える窓の外からピーターパンは迎えには来てくれなかった。

けれど、夢を追うこともみることが遅いなんてあり得ない。


前を見てらこれから先、ずっと、キミと一緒に歩いていける未来を信じて。




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