その後*
きっかけ
その後 / きっかけ
「あ、そうだ。ねぇねぇ、ダイはさ。いつ頃さー私の事好きになったの?」
「……」
「まさか、あの時からずっととかじゃないでしょ?」
なんて笑いながら隣を歩くダイを見上げれば、ギロリと睨み付けられる事となる。
「ま、さ、か!!」
「え、じゃぁ……」
「あの夜。ユミに呼び出された日!」
ダイの口調と握られた右手が急に力強くなるから、
「う、うん」
何を言われるか一瞬戸惑ってしまう。
「アリカと再開したところで、絶対に好きになんてならないと思ってた!」
「……」
「酒に酔ってヘロヘロで1人で歩け無くて、信じらんねー女って思ったし」
不機嫌そうに吐き出されるダイの台詞に。
ユミから聞いてはいたけれど、そんなに酷かったんだと、質問した事を後悔しはじめる中。
「俺がユミのベッドまで運んだんだぜ!」
"重たいしさー、暴れるわで大変だったんだからな"と続けるダイに、
「……」
もう苦笑も出てこない。
仮にも彼氏にそんな醜態を見られていたなんて、本当に情けない。
それって、女としてどうなの?
もう絶対に無茶な飲み方はやめよう……。
「ご、ごめん……」
心に誓いながら、自分の足元へと視線を落とした。
少し沈黙が続いて、
「でも、次の日さ……」
ダイの大きな手が私の頭にポンと乗せられる。
優しくポンポンと撫で下ろされるから、ダイの優しさが伝わってきた。
「うん……」
「朝さ、お前風呂借りてっただろ?」
「……は?」
「アリカの裸見ちゃった時さー、やっぱり絶対にコイツとヤりたいって」
「……」
「直感だったんだけど。ほんとマジであれで落とされ……」
「いでっ……!何すんだよ!!」
「て、先行くなって!きっかけの話だろ?おいっ!」
──きっかけ──
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