年収いくらなんだろ?


お医者さんに社長候補、某大手企業メーカー。

職種、年収、顔、年上。それと、三好ちゃんの厳しい顔──。


今日の飲み会がぐるぐると頭に思い浮かぶ。


……ダイが公務員かぁ。

学校の先生って年収いくら位なんだろ。



て、私、今なんて事を考えてしまったのか!!?


駄目だ。重症だ。

ユミの結婚が決まって、頭が毒されはじめている。

男の顔を見れば"結婚"と"年収"が頭を過るなんて、こんなんじゃ、駄目になる。その前にあるだろう!男女交際というお付き合いの段階が!!


両手で頭を抱えて大きく左右に振れば、



「いだっ……」


思い切り首を捻ってしまう。


結婚のために男の人と付き合う訳じゃない。その先にあるものであって欲しいと願わずにはいられないのに。


私は一体何をやっているんだろう。


仕事、飲み会、家に帰って寝るだけの繰り返し。

毎日、朝ぎりぎりに起きて、仕事行って疲れて残業を家まで持ち込む事だって少なくはない。



「遅刻しちゃう!」


「ぎゃーー!肌がヤバい!!」


飲み会の次の日は顔もパンパンだし、身体も疲れが取れてない状態も続いている。


母親には「何度も声かけたんだからね」と呆れられるし。


慌てて自分の車に駆け込んで、アクセルをふかした。



「あ、点滅……」


朝から本当についてないんだけど。

20代後半にしてなんて情けない現状なのだろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る