04 / デート?
3回もヤッといて──
「どうかしてました……」
「傷付くんだけど」
カーテンで覆われた窓の隙間からは太陽の光が漏れて、まだはっきりとしない私の脳を刺激をする。
布団の中といえど、私とダイは大きめベッドの上で向かい合っていた。
「こ、これは一夜の間違いだと思って!わ、忘れて……」
「あんな濃厚な一夜忘れられるかよ!!」
しわくちゃになった真っ白なシーツが昨日の夜の行為を物語っていて、曖昧な記憶がぼんやりと頭に蘇っていく。
「お酒にやられてました」
「酒ねー」
「……」
「酒が入れば誰でもいーわけ?」
「ちがっ……」
「ふーん。彼氏じゃなくてもヤれちゃうんだ」
ダイは呆れた様に声を出して、私をギロリと睨み付けた。
「そんなこと……」
「いつもこんな事してんの?」
「してない!してない!こんな事はじめて!!」
「じゃぁ、選んだってこと?」
そう言ってダイが布団を剥ぎ取って、下から覗き込んでくる。
「選んだとかじゃなくて!」
目のやり場に困って、慌てて布団を頭から被って顔ごと全身を隠した。
昨日は暗くてよく分からなかったけど、しなやかなダイの身体に急に恥ずかしさが増大していく。
「3回もヤッといてそれはねぇだろ?」
「さ、3回?……2回目からは覚えてないし!」
「ひっでー。あんなにアンアン鳴いてたのに」
ダイがニヤリと口元を緩めて、布団へ潜り込んでくる。そのまま私の身体を押し倒すから、密着する素肌が昨日の夜よりずっとリアルに感じて、頭がグワングワン回ってしまう。
「待って!!」
「覚えてねぇなら、思い出させてやるし」
ダイが私の首元をペロリと舐めるから、一瞬ゾクリとしてしまう。
「駄目だって」
「んー」
ダイはユミの弟。それにまだ学生なんだってば!!
「駄目!駄目!!駄目ー!!!」
「……っ」
「駄目だよ!!」
両手で思いきりダイを突き放す形となれば、目の前のダイは眉をしかめて溜め息を吐いてから口を開いた。
「だって、どうすんだよコレ」
「じ、自分でなんとかしなさい」
「なんだよ、アリカのケチ!!」
「ケチとかの問題じゃなくて!わ、私は付き合ってる人じゃないとそうゆうの……」
「じゃぁさ、俺と付き合ってよ」
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