第7話
「……っ!私帰る!」
「帰すわけねーだろ」
冷たい目で見下ろせば、面白いくらいに目を潤ませる。
「せんぱい、お酒は気を付けて飲まないと。わっるーい男のひとに捕まっちゃうよ??」
「…ご、ごめんなさい……」
「別に謝って欲しい訳じゃないし、謝ったとしても帰さないから」
「…春……くん?」
「あぁ、安心して。大学には欠席するって連絡入れておいたから。」
「…ねぇ春くんどうしたの!?」
彼女が一際大きな声を出したのと、彼女の足のあたりからカチャンと乾いた音がしたのは、ほぼ同時だった。
「……え?…なんの音……?」
「そんなに気になるなら自分の目で確かめてみたら?」
俺の下で彼女が息を飲むのが分かる。
俺は無言でブランケットをめくる。
「……!!…ごめんなさい……うッ……ひっく……」
……彼女はとうとう泣き出してしまった。
そりゃあそうだ。なんせ彼女の足につけたのは足枷。比喩表現とかじゃないガチのやつ。
「ごめんね~?逃げられたら困るから。………うわぁ、泣き顔もそそるわ……」
「……なんで…?…怖いよ春くん……」
「………………………へえ?
別に意図していないのに、自分のものとは思えない冷たい声が出て、少し驚いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます