第6話

隣で横わたっているお姫様の髪を、手ぐしでゆっくり解いてゆく。




綺麗なストレートヘアは、一度もつっかえることなく、手の指の間を通り抜けていった。




どんなに俺が髪に触れようと、起きる気配すらない。




……かわいいなぁ。なんでこんなに無防備なんだろ。






「りーこちゃん。朝だよ、起きて。」






もう少しこのかわいい寝顔を見ていたかったけど、いつまでも寝ていられるのも困るのでお姫様を起こすことにした。






「りーこちゃん。起きてってば。」




ふわふわのほっぺたを軽く摘まむと、うう…と小さく唸ってゆっくりと目が開いた。




……その瞬間を見計らって彼女の身体に馬乗りになる。








「……!!」




「おはようりこちゃん。ごめんね、びっくりさせちゃった?」




「……え……なんで…?」




「あれれ?昨日のこと覚えてないの~?そっか、いっぱいお酒飲んだもんね。二日酔いしてない?」




「……春…くん?ここ…どこ……?」







「え、どこって何?俺んちに決まってるじゃん。」

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