第4話

「春くんほんとにいいの?こんな高そうなバー入っちゃって。」





「大丈夫。そんなにお値段張らないから。」






ここおいで~と、半ば強引に先輩を座らせて自分もその隣に座る。





「理子せんぱい何飲みたい?」





「う~ん、甘いお酒が飲みたいかな~」





「おっけー!お兄さーん!カルーアミルクひとつと、ハイボール!ベースはいつものウイスキーね!」





「……かしこまりました。」









俺は、顔見知りのバーテンダーを「お兄さん」と呼ぶ。




その「お兄さん」は表情こそにこやかなものの、目が笑っていなかった。




付き合いが長い俺には、バーテンダーコイツの言おうとしていることが分かる。




『お前…また女酔わせて持ち帰る気か…?』




………ご名答。さすが俺の竹馬の友・・・・








「春くん、これおいしいね!」







そんなやりとりには目もくれず、今回のターゲットの先輩は、さっそく出されたカルーアミルクを試飲中。




一気飲みは下品だし、危険だけど、可愛いからよしとしよう。




「理子せんぱーい!おつまみに着いてきたチョコレートあるけど食べる?」




「え!いいの?ありがとう!」






………うん。やっぱり可愛いから何でもいいや。

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